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コラム

川端 暁彦の千態万状Jリーグ

2016/10/7 12:31

明日のJリーグを担うタレントが集結 Jユースカップがいよいよ開幕!(♯46)

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2016Jユースカップ 第24回Jリーグユース選手権大会が10月8日より日本各地で幕を開ける。Jリーグ各クラブのU-18チームと、地域の予選を突破してきた4チームを合わせた計54チームが参戦。11月19日にヤマハスタジアム(磐田)で行われる決勝戦を目指す、1ヶ月余りのカップ戦だ。明日のJリーグを担うタレントたちが一つの大会で一気に観られるお得な機会である。

そう言われたところで、今ひとつピンと来ない人も多いと思うので、ここはJリーグ公式サイト内にある過去大会の決勝戦についてのハイライトをまとめた、アーカイブ動画をオススメしておきたい。

98年大会には、佐藤 寿人や阿部 勇樹が活躍。誰もが知る後のJリーガーである
98年大会には、佐藤 寿人や阿部 勇樹が活躍。誰もが知る後のJリーガーである

たとえば、個人的にも思い出深い1998年大会などはどうだろう。今もJリーグの第一線で輝く選手たちの姿を観られるはずだ。市原ユース(現・千葉U-18)の小さなストライカー、佐藤 寿人(現・広島)の抜け目ないゴールシーンは“そのまま寿人”である。ついでに、佐藤の顔が“そのまま”なことに驚いてもらえるはず(笑)。華麗にパスをさばくMF阿部 勇樹(現・浦和)もいる。鹿島ユースの野沢 拓也(現・仙台)は「こいつ、本当に上手いな!」と思わせてくれたのだが、ハイライトではイマイチ出てこないので気付いてもらえないかもしれない。

その10年後に行われた2008年大会も熱い。この年の決勝はG大阪ユースとC大阪U-18による“大阪ダービー”。この試合の先制点を奪ったのは、山口 蛍(現・C大阪)。そう、つい先日、FIFAワールドカップロシア アジア最終予選・イラク戦において、劇的な決勝弾を奪ったあの男のゴールだった。現在、J2で活躍を見せる永井 龍(現・長崎)の得点が続くのだが、結局はMF大森 晃太郎(現・G大阪)、そして宇佐美 貴史(現・アウクスブルク)らの活躍によって試合はひっくり返ることとなった。

08年大会は今の日本代表で活躍する山口 蛍や宇佐美 貴史が出場。決勝は大阪ダービーであった
08年大会は今の日本代表で活躍する山口 蛍や宇佐美 貴史が出場。決勝は大阪ダービーであった

当時、観ているこちらまで熱くなった試合だったが、Jユースカップは高校生活における最後のカップ戦になることも多く、こうした意地と意地のぶつかり合いのような好ゲームになることが多いのも、大会の特色だろう。

今大会の開幕は10月8日。まずは大会ページのトーナメント表を観てもらって、ひいきのクラブのユースチームがいつどこで試合をするのか確認してもらえればと思う。あるいはご近所のグラウンドやスタジアムで試合がないかどうか。ユースの試合を観に行くとなると、ハードルを高く感じてしまうかもしれないが、わりと“のほほん”とやっているので、気軽に行ってもらえれば大丈夫だ。

昨年は浦和ユースが初優勝を達成。今年のJユースカップを制するのは果たしてどのチームか
昨年は浦和ユースが初優勝を達成。今年のJユースカップを制するのは果たしてどのチームか

出場している彼らはプロの舞台に立つことを夢見る選手たち。もちろん、全員にその機会があるはずもない。しかし最後のカップ戦であるJユースカップで、少しでも多くの人に観てもらえることに優る幸せもないだろう。プロの道へ進む選手にとっては、観客の「目」がある中で、その「視線」を自分に集めるようなプレーができるかは今後に繋がってくる部分。「観客が多いと活躍できない」なんて選手に将来性がないことは言うまでもない。どうしても関係者と常連客しか来ないのがこの大会の常ではあるのだが、見知らぬ他人の「目」の中で輝いてこそのプロフットボーラーである。

要するに何が言いたいのかと言えば、「観に行って損するような大会じゃないし(入場無料だし)、準決勝・決勝はBSスカパー!でもやりますよ」ということである。未来の佐藤 寿人や山口 蛍がきっといるだろうし、この大会が最後のプレー機会という選手もいるかもしれない。そんな彼らが闘志を燃やして、タイトルを目指すのだ。面白くないはずがないことは、想像してもらえることと思う。