明治安田生命J1リーグ 1stステージが開幕し、約1か月が経過した。ここまで5節が終わり、2位に位置する川崎フロンターレ。いまだ負けのない唯一のチームである(3勝2分)。その原動力はオフェンスの強さといって間違いないだろう。以前からリーグ屈指の攻撃力を見せていたが、今季はさらにパワーアップしている。昨季は1.8点だった1試合平均得点が、今季は2.6点に増加。シュート決定率の向上が結果として表れているのは紛れもない事実だが、「攻撃につながる守備」のレベルアップも好調を支える要因のひとつと言える。
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こぼれ球奪取率のデータを見ても分かるように、今季はセカンドボールに対する意識が高くなっている。どのエリアを比較しても昨季から数値が上昇。こぼれ球を拾えるようになったことで、平均ポゼッション時間も昨季より約1分半増えた。二次攻撃や三次攻撃をより一層仕掛けることができるため、攻めが分厚くなっている。
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また、ポゼッションからの攻撃だけではなく、鋭いカウンターも川崎Fの魅力のひとつ。ここでも「攻撃につながる守備」が成果として表れている。ボールゲイン(相手チームの攻撃から自チームの攻撃に切り替わったプレー)からシュートに至った攻撃のデータを見ると、ゲインライン(自チームの攻撃に切り替わった位置)が昨季より10m高くなっており、よりゴールに近い位置からの攻撃が多くなっていることがわかる。シュートに至るまでの平均経由時間が7秒ほど短くなっていることからも、手数を掛けない攻めの進化が見て取れる。
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チーム全体で狙いのある積極的なディフェンスができていることによって、オフェンスにも良い影響を及ぼしている。「攻撃につながる守備」を今後も続けることができれば、悲願のタイトル獲得も現実味を帯びてくるだろう。
(文章/データ提供:データスタジアム株式会社)