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2015/12/1 16:40

データ分析:ボールを持つか持たれるか【G大阪vs広島】

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今季より復活した明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ。決勝はサンフレッチェ広島とガンバ大阪という顔合わせになった。2試合トータルでの結果で勝敗を争うことやアウェイで奪うゴールがより大事になるという普段のリーグ戦とは異なるレギュレーションであるだけに、「180分」を通してどのように戦うかが重要となる。G大阪から見れば、トータルスコアで相手にリードを許すことは絶対に避けたい。なぜなら、リーグ戦において広島は先制点を奪った試合は18勝1分けなのだ。彼らは先制すれば、2ndステージのG大阪戦のようにボールを奪う位置が低くなりブロックがより堅固になる(図表1)。

また、途中出場時のゴール数が8点(リーグ最多)であるスピードスターの浅野 拓磨を擁し、ボールを奪ってからパスを出した数が2本以下で挙げたゴールが20と断トツであるなど、鋭いカウンターも大きな武器。それを考えれば、G大阪はホームであっても初戦は慎重な試合運びに終始するのではないだろうか。

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また、彼らの懸念はコンディション。準決勝では120分間の死闘を演じ、総走行距離は152.71kmにも上った。今季の両者の対戦を前後半別で振り返ると、総走行距離でG大阪が下回ることはあったものの、スプリントを見ると相手を常に上回っていたことが分かる(図表2)。広島の守備のポジショニングが良く、スプリントをせずとも奪えていたという側面はあるが、後半に入り足が止まるようであれば苦戦は免れられないだろう。

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一方、広島からすれば相手を前掛かりにして自らの「得意な形」を繰り出すためにも、できればアウェイでゴールを奪いたい。図表3には両者の対戦での時間帯別のポゼッションとシュート数を載せた。これを見ると、支配率が高い時でも低い時でもシュートまで持ち込めていることが分かる。シーズンを通したパスの成功率は82.1%と2番目に高く、前述のカウンターだけでなくポゼッションもできることは強み。それだけに、どちらのチームがボールを持つことが増えるかはポイントだ。

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そして、最後に立ちはだかるのは互いのGK。図表4に示すようにセーブ率は林 卓人と東口 順昭が1位と2位で、前者はPA内シュートのセーブ率が、準決勝でビッグセーブを連発した後者はPA外シュートのセーブ率がそれぞれトップなのだ。得点を量産した両チームのアタッカーを含めて誰が2人の牙城を崩すのか。ちなみに、林は今季PKを3本ストップしている唯一の選手であることを付け加えておく。

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年間で最多勝点を獲得した広島と、昨季の三冠王者であるG大阪。栄冠はどちらの頭上に輝くのか、果たして。