日本代表が中国・武漢でEAFF東アジアカップ2015に参加している関係で、8月上旬は明治安田生命J1リーグが中断期間に入っている。
この期間の過ごし方は様々だ。サガン鳥栖はスペイン・リーガエスパニョーラのアトレティコ・マドリードを招いて親善試合を行い、FC東京はドイツ遠征を敢行してブンデスリーガの名門アイントラハト・フランクフルトと対戦するなど、国際交流を図るクラブもある。一方で選手補強や監督交代などで体制を整え、中断後の巻き返しを図るクラブも少なくない。ファン感謝デーやイベントなどで応援してくれている人たちと触れ合う機会を設けているクラブもある。J1クラブを応援されている方々は日本代表の戦いを視野に入れながら、自分がサポートしているチームの動向を気にしていることだろう。
一方でJ2やJ3は日本代表に関係なく普段と同様にリーグ戦を消化している。そしてこちらも変わらず開催されているのが、サッカーくじ「toto」だ。
このtoto、実は今回の東アジアカップ期間中に興味深い変化があったのをご存知だろうか。
これまではJ1とJ2のクラブが参加するリーグ戦やJリーグヤマザキナビスコカップ、天皇杯などで試合の勝敗を予想するくじとして行われてきたが、8月分の開催からJ3も対象となったのだ。
すでに多くの方がご存じだと思うが、ここで少しだけtotoについて説明しておこう。totoには複数のくじがあり、13試合の結果を予想する「toto」、5試合の勝敗を予想する「mini toto」、指定された3試合6チームのゴール数を予想する「toto GOAL3」が自らの予想で購入できる。そのほかに指定された試合結果をコンピュータがランダムに選択してくれる「totoBIG」もある。予想や結果はホームチームの勝利=「1」、引き分け(90分間での試合結果)=「0」、ホームチームの敗戦=「2」で表示され、的中試合数に応じて当せんするというものだ。
実はこれまで「toto」や「totoBIG」を開催する際、J1が中断期間に入ることで少し悩ましい問題を抱えることがあった。22クラブで編成されるJ2は1節あたりの試合数が11。通常時はJ1リーグ(=18クラブ/9試合)、もしくはJリーグヤマザキナビスコカップと組み合わせて開催されることが多く、毎週末にすべてのくじ結果が出せていた。だが、J1クラブの絡む試合と合算しても「toto」対象の13試合に届かない場合は、対象カードを複数節にまたぐなどの工夫が必要となっていた。それが12クラブで6試合を行うJ3と組み合わせることで、J1中断期間にも節をまたがずにすべてのtotoを開催できることになった。
一攫千金のチャンスが増えたことで喜んでいる方も多いことだろう。そして第1回からtotoを購入している自分にとっても興味深い変化だったと考えている。
totoはJリーグの知識を増やすことにおいて大いに役立ってくれる存在でもある。1993年のJリーグ開幕から見続けてきたが、2001年のtotoスタートに伴って、各チームの最新情報を入手しようとする動きが増えた。出場停止やケガ人情報はもちろんのこと、最近の調子や対戦相手との相性、次節に向けてのプラス材料やマイナス材料などのプレビュー情報をかき集めて予想に役立ててきたわけだ。それを積み重ねることで各クラブや選手のプレーや思いがインプットされてきた部分は少なくない。自分自身、J3に関する情報が手薄なのは正直なところ。今回の変更でJ3に今まで以上の情報収集を心掛けるいい機会となりそうだ。
以前、この連載内で「人にもクラブにも歴史あり」というコラムを書かせてもらったが、一つのクラブを見守っていく一方で、Jリーグ全体を俯瞰して見る楽しみ方もあると思っている。totoを予想することで各チームの情報を集め、自分の予想を手にドキドキワクワクしながら試合結果を待つ。Jリーグをさらに楽しむことができるのは間違いない。
ぜひ皆さんもJ3に注目しつつ、totoを購入することをオススメしたい。もちろんそんな簡単に当たるものではないが、当せん金を除いた売り上げの多くはスポーツ振興の助成金に用いられる。自分もtotoを長年購入してきたが、当然ながら高額当せんはなし。ただし、外れた場合でも日本のスポーツ振興のためにお金を使ったと考えて、うまく納得させている自分がいるのも間違いない。いつの日か、高額当せんすると信じながら。