明治安田生命J1リーグ 2ndステージが開幕して、早くも5節が経過した。全17節なので、全体の3割ほどが終わったことになる。そしてリーグはここで日本代表の東アジアカップ開催のために“プチ中断”に突入。今回は「順位表」を見ながら2ndステージ序盤戦を総括してみたい。
2ndステージ順位表を観ていただければ一目瞭然なのだが、早くも頭ひとつ抜け出したチームがある。5戦全勝、18得点・4失点という突き抜けた戦績を残したのは、サンフレッチェ広島。1stステージで3位になった2012、13シーズンの王者が。今季素晴らしいプレーを見せてきた柴崎 晃誠の負傷離脱というアクシデントがあったものの、エースFW佐藤 寿人は堅調で、浅野 拓磨&野津田 岳人の1994年生まれコンビも台頭。率直に言って、このステージの「本命」だろう。正直、強い。
ここまで読んで「つまりこのままいけば、1stステージ王者の浦和レッズと広島がチャンピオンシップで対戦するんだな」――と思った人がいるかもしれない。確かに2004年まで行われていた2ステージ制であれば、その認識は正しい。ステージ王者同士が最後の覇権を懸けて激突するのが「チャンピオンシップ」だった。
だが、今年は違う。チャンピオンシップに出場するのは下記のとおり、最大5チーム。
「年間勝点順位1位チーム」
「年間勝点順位2位チーム」
「年間勝点順位3位チーム」
「1stステージ優勝チーム」
「2ndステージ優勝チーム」
「最大」と記したのは、それぞれ重複の可能性があるからだ。たとえば年間勝点順位1位のチームが、1stステージ、2ndステージのどちらか(あるいは両方)で優勝している可能性は高い。ほかの場合、たとえば年間勝点順位3位のチームがどちらかのステージを制している可能性なども十分にありうる。
つまりこの2ndステージでは、純粋にステージ王者を決める争いに加えて、年間勝点順位上位を巡る争いも並行的に行われているということになる。ここでも広島が浦和を突き放して首位をキープしているのだが、注目は第3位。それまで年間3位だったガンバ大阪が引き分けて、同4位のFC東京が勝利したことで順位が逆転。FC東京が年間3位に入ったのだ。つまり、このままの順位で行けばFC東京にはチャンピオンシップ出場の権利が与えられることになる。チャンピオンになるために、必ずしもステージ王者になる必要がなくなったのが現行のシステムである。
とはいえ、ステージ王者と年間勝点順位3位までの3~5チームを組み合わせてトーナメントの山を組むと言われても、なかなか直観的には理解できないだろう。J.LEAGUE.jpには「このまま行けば、こんな山になる」というシミュレーションを行ってくれるページがあり(2015 Jリーグ チャンピオンシップ トーナメント表【暫定版】)、しかも最新の結果で逐次更新されるので、ステージ終盤に近付けば近付くほどに便利なページになっていくはずだ。
現状のままいくとすると、年間1位の広島がシードチームとなり、その広島への挑戦権を懸けて1st王者(かつ年間2位)の浦和と年間3位のFC東京がぶつかる3チームトーナメントということになる。こうしてみると、シーズンの状況についても違った見方ができるはずだ。たとえば年間勝点順位5位の川崎フロンターレは、同3位のFC東京と勝点差が2しかないので、チャンピオンシップ出場は十分に射程圏内。もう少し試合数がなくなってくると、戦略として「2ndステージ王者を狙うより年間3位を意識する」ようなチームも出てくるはず。少々ややこしくなるのは確かだが、また違った面白さがあるとも言えそうだ。