AFCチャンピオンズリーグ(ACL)が佳境を迎えている。グループステージは残すところ1節のみとなった。第5節を終えた4月22日現在、柏レイソルが1位通過を決めた一方、浦和レッズの敗退が決定した。序盤に苦しんだガンバ大阪と鹿島アントラーズは試合を重ねるごとに課題の修正を重ね、自力突破の可能性が見えるところにまでリカバリーしている。
ACLは出場4クラブだけが戦っているのではない。ACL出場クラブには、ACLの日程を考慮して、リーグ戦の日程を平日に動かす選択権を与えている。これも対戦するアウェイクラブの協力が無ければ成立し得ないことだ。
ひとつ面白い事実がある。これまでに明治安田生命J1リーグ戦の4試合がACLを考慮して平日に行われたのだが、その結果が興味深い。リーグ戦日程を平日に動かした柏、鹿島、G大阪の詳細は次の通りである。
①3月14日(土)第2節が試合日だった柏は仙台戦を13日(金)に前倒した。その結果、次にホームで迎える17日(火)の山東魯能戦まで中3日の試合間隔が確保され、試合結果は2-1で柏が勝利した。
②4月4日(土)第4節の試合日だった鹿島は鳥栖戦を前日の3日(金)に前倒すことで7日(火)の対広州恒大戦まで中3日を確保した。結果、鹿島は広州恒大に対してアディショナルタイムの得点により劇的な勝利をものにした。
③同じく4月4日(土)に試合予定だったG大阪も、名古屋戦を3日(金)に前倒すことで中3日を確保した。気温30度を超える灼熱の敵地タイで行われた7日(火)のブリーラム戦では終了間際に見事な逆転劇を演じた。
④4月18日(土)予定のJ1リーグ戦第6節、柏対鹿島戦は双方ともACLを控えていたため、両クラブ合意のもと、16日(木)に前倒した。その結果、柏は全北現代とのホームゲームまで中4日を確保した。結果、柏は全北を3-2で突き放した。
同様に、鹿島はアウェイのウエスタンシドニー戦まで中3日を確保することができ、結果、鹿島は豪雨のシドニーでまたしてもアディショナルタイム弾で逆転劇を演じた。
要するに、クラブが日程調整をした後の5つのACL試合すべてに勝利しているのだ。今回私はアウェイ7試合、ホームはプレーオフを含めて3試合を観戦する機会を得た。つまり、アウェイ中心にACLの約半分に帯同したことになる。私の場合、合計10試合で4勝5敗1分という結果だ。それだけに上記の5勝は際立って見える。クラブ関係者は中3日が確保されるなら、そのリズムで連戦が続いても戦えると言っている。しかし、共通していた意見は、中2日でのACLは相当厳しいということだった。球際の厳しさもスピード感ある攻撃もコンディションの良さがあってのものなのだろう。
もちろん勝因は日程だけではない。5つの勝利は偶然なのかもしれない。またリーグ戦を平日に移すことは週末のリーグ戦を楽しみにしているファン・サポーターへの配慮も必要で、簡単な判断ではできないのも事実だ。
ただ、確実にいえることは、ACLに出場しているクラブは日程調整に協力してくれているすべてのJクラブとともに戦っているのだということである。だからこそ、多くのクラブの協力やファン・サポーターの期待を背負うACL出場の4クラブにはグループステージの残り1試合を何としても勝利で終えてほしい。
※コラム中一部確認漏れによる誤記載がありました。お詫びいたします。(Jリーグ広報部)