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コラム

百年構想のある風景

2015/1/30 10:00

観光スポット

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日本人選手が欧州の一流クラブで数多くプレーする今日、各都市のスタジアムは、日本人観光客の新たな観光スポットになっている。ドイツツアーの旅程の中に、内田選手と長谷部選手のチームが対戦する試合観戦を見つけた。日本で出版されている観光ガイドブックには、ブンデスリーガ(ドイツ)、リーガ・エスパニョーラ(スペイン)、セリエA(イタリア)など各国リーグの観戦情報が紹介され、入場チケットもインターネットを通じて事前に購入することができる。 英国政府観光庁より今夏に発表された調査結果によると、イングランドを訪問した旅行者のうちプレミアリーグを観戦した人は、年間約75万人に上るという記事を見た。これは、全入場者数の5%、観客のうち20人に1人は海外からやってきた観光客ということになる。この試算によると、観戦による直接的経済効果は年間約6億ポンド(約720億円)。1人当たり平均では、旅費を含め約776ポンド(10万円弱)。

イングランド経済にとって、プレミアリーグの存在は特別な価値をもつ。 人気のスタジアムは、どこも一流の劇場空間を体験できるサッカー場ばかり。スタジアム巡りも、見逃せない楽しみ方の一つだ。地下鉄やトラムなど公共交通を利用したアクセスの良さは、不案内な観光スポットにとって何より欠かせない条件である。 わが国には、海外から年間630万人(2010年)の観光客が訪れている。国別には、韓国196万人、台湾114万人、中国83万人などアジアからの観光客が三分の二を占める。英国の話を、アジアからの観光客に置き換えてみよう。自分の国のTV画面にJリーグの試合が流れていれば、日本を訪れた時に一度観てみたくなる。母国のスター選手がJリーグでプレーしていれば、生で応援したくなる。観光客の観戦の動機は、さまざまで多い方がいい。

フランスからビジネスで来日した一行に「自由時間にはどこに行きたいですか?」と尋ねたところ、「Jリーグを観てみたい!」と言われ、埼玉スタジアムの試合に案内してとても喜ばれたという話を友人から聞いた。 日本を訪れた観光客が手にするガイドブックを調べてみよう。彼らのガイドブックにJリーグの観戦情報がまだ見あたらなければ、まずは"観光スポット"の仲間に加わることから始めよう。やがては、Jリーグの放映権が国際化する際の力強い後押しになればありがたい。