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コラム

百年構想のある風景

2015/1/30 10:00

赤と青

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42年間続いた長寿テレビ番組「水戸黄門」が年内で終了することになった。毎週月曜日のゴールデンタイムの番組は、水戸の存在感を全国に示す絶好の機会だった。それだけに、地元にとって惜しまれよう。ならば、ポスト"水戸黄門"として、Jリーグの水戸ホーリーホックにバトンタッチしよう。成績如何で、「世界一の水戸」になる可能性がある。 これまでの歩みは、水戸黄門の主題歌とは異なり、楽なし苦ありの道のりだった。ホームタウン水戸市は、ヴァンフォーレの甲府市を上回る人口27万人と少なくはない。だが、山梨県のように高い購読率を誇る地元紙はなく、地元メディアによる露出効果は望めない。一昨年まで長い間ホームスタジアムが水戸から遠く離れていたことは、地元の関心や認知度の低さにつながった。

同じ茨城県内には、J1の強豪クラブの鹿島アントラーズが君臨し、水戸市内での人気も高くダービーとはいいにくいのが現状だ。泣き言ばかり言っても始まらないと、水戸市役所のHPトップにクラブが紹介されるなど、地元が動き出した。 加えて、赤のチカラ、アントラーズの存在を活かしたい。赤と青で色分けされるダービーは、欧州の強豪チームには多い。リバプール×エバートン、アーセナル×チェルシー、マンチェスターU×マンチェスターC、ACミラン×インテル、ASローマ×ラティオ、バイエルン・ミュンヘン×1860ミュンヘン。 「あなたは"赤"(鹿島)ですか、それとも"青"(水戸)ですか?」。毎年、茨城県内の各市町村で支持するチームの"色"を聞き、赤と青で県内を色分けしてみる。おそらく最初は、9:1以上かもしれない。

それが、自分の道の出発点だと考え、さあ進もう! リーグが異なるなら、プレシーズンマッチの定期戦をメインイベントにしたい。小さくていいから、いつも赤と青を意識させるシーンをたくさん存在させることが大事である。水戸駅前にある鹿島のファンショップの隣に水戸の店をぶつける。ミュンヘン市内のホフブロイハウスに面した通りに、バイエルンと1860のファンショップが並び賑わっていた。 ジェフ千葉のスタジアムのある蘇我駅のように、水戸駅を青くラッピングできないか。車のご当地ナンバーの再燃にあやかり、プレートの余白に支持するチームのエンブレム・シールを貼ろう。原付バイクのプレートを、鹿嶋市はアントラーズの鹿、水戸市はホーリーホックの葵の御紋のデザインに変えよう。兼六園のあるJFLのツエーゲン金沢(赤)、後楽園のあるファジアーノ岡山(赤)との日本三大名園対決などアイデア大募集だ。 「この紋所(もんどころ)が目に入らぬか!」は、永遠に不滅である。