昨日の金曜日、Jリーグのひとりの女性スタッフが神妙な表情で話しかけてきた。「相談があるので打合せの時間をいただけませんか」と。何だろう。少し心配ではあったが了承した。
なんと!時間になると女性スタッフがぞろぞろと現れるではないか。翌日の私の誕生日をサプライズで祝ってくれたのだ。
本日、8月2日の土曜日はJ1のゲームがあり、彼女たちは、それぞれ自分の持ち場につかなければならない。彼女たちはスポーツマネジメントのプロ集団なのだ。業務範囲は、競技運営、広報、事業・マーケティング、スタジアムなどの施設や財務面などクラブライセンス関係などなど、広範囲に取り仕切っているのだ。
嬉しさついでに、今回は身内話ではあるが、ここチェアマン室をご紹介させていただく事をお許しいただきたい。チェアマン室とはいえ、実態は会議室。ここでいろいろな打合せが行われる。選手が来ることもあれば、メディア関係者の取材、仕事体験の子供たちが来ることもある。私自身、出歩くことが多いので、奥にある自分のイスに座ることはあまりない。
最近は会議のために資料を作ることもない。ホワイトボードに書きだしたものをどんどん写真に撮ってメンバーに配布したりしている。スピードが大切なのだ。壁には「リスタートは早く」などと書いてある「2014重点3項目」のポスターが張られている。ちなみに今回の2014FIFAワールドカップブラジルでコーナーキックに要した全試合の平均時間は26.5秒(延長入りで26.4秒)。J1の2014年の現在時点での平均は30.6秒。世界は約4秒も早いのだ。
部屋の反対側の壁には夢のスタジアムプランが10枚以上貼られている。キーワードは、「駅前、街なか、4面屋根付き、多機能型、フットボールスタジアム」だ。今後、スポーツで地域を元気にしていくためには、その環境整備は重要だ。サッカーに限らず、様々なイベントが開催でき、近隣のショッピングモールやホテルなどとも併設される施設の整備は私の重要なミッションでもある。雨にも濡れず、トイレがきれいで、フードコートが広く、ショッピングモールに近ければ彼女をデートに誘えるはずだ。そんな夢を毎日のように広げている。
私の役割は極めてシンプルだ。Jリーグの理念を実現していくことに尽きる。全ての判断は、額に飾られているこの理念に則しているかどうかで決められる。1点目の「サッカーの水準向上」を掲げる限りACLのチャンピオンをめざさなければならないし、FIFAクラブワールドカップで世界の強豪クラブと闘う水準を維持しなけらばならない。2点目の「豊かなスポーツ文化の振興」はまさにサッカーに限定したものではない。地域の隅々までスポーツにふれあう環境を整えていく必要がある。J3リーグもまさにその考えに即したものだ。3点目の「国際交流」こそアジア戦略の中核をなす概念であり、これからも引き続き若い世代に国際経験を積ませていこうと考えている。