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コラム

百年構想のある風景

2015/1/12 10:00

スタジアムの絵葉書

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欧州の視察先へ持っていくお土産には何が良いだろうかという質問を良く受ける。お土産には高価なものではなく、その価値を相手と共有できるものが望ましい。「自分たちはこんな町からやって来ました。」と説明できる、まちの絵葉書や写真集があれば喜ばれるだろう。自分のまちを相手に紹介しながら挨拶を交わせば、その後の会話も自然と弾むものだ。 小さな町にも欧州では絵葉書がある。バラで売られ、気に入ったものだけを好きな枚数買うことができる。暮らしているまちを愛する意識を具現化したものが数多く売られる。

“プロスポーツのある町”には、ホームスタジアムが絵葉書になっている。 初めてスタジアムの絵葉書と出合ったのは29年前。大学のサッカー仲間三人で欧州を旅した時のこと。FCバルセロナのホームスタジアム“カンプ ノウ”の絵葉書を駅の売店で入手した。オランダ代表のクライフやニースケンスら当時の豪華メンバー勢揃いのものもあり、いまでも大切な宝物だ。 2006ドイツW杯を訪れた際にも、試合会場となったスタジアムの絵葉書をたくさん買い求めた。どれも個性的な絵姿だが、上空から全体像が撮影されたライプチヒの一枚は特に興味深い。

1900年ドイツサッカー連盟が誕生した旧東独の町で、W杯会場の中で唯一ブンデスリーガクラブのホームではない。 絵葉書を見れば、約100年前に建てられた10万人収容のセントラルスタジアムの原形がいまも良くわかる。昔の観客席部分をすべて芝生化して外側全体を残し、内側に5万人収容の近代的なスタジアムを建設。これぞドイツのお家芸“伝統と革新の調和”を感じさせる。 時代時代の風景や生活の情景が描かれた絵葉書は、土地の生活文化を記録する。チームの戦いを記憶するスタジアムの絵葉書は、スポーツ文化につながる。まさに『記録は文化』だ。