今日の試合速報

2015/12/17(木)11:30

【試合後コメント:準決勝】森保監督(広島)「我々も決定機をつくっていたので、十分に勝つチャンスはあった」

失点のところまではプラン通りと語った森保監督
失点のところまではプラン通りと語った森保監督

16日にFIFA クラブワールドカップ ジャパン2015の準決勝が行われ、広島がリバープレートに0-1で破れました。試合後の森保 一監督のコメントです。

――この結果はフェアだったと思われますか。
「結果が出てしまっているので、受け止めなければいけないと思います。ただし、我々も決定機をつくっていたので、十分に勝つチャンスはあったと思います」

――残念な結果に終わってしまいました。選手たちの頑張りと、皆川選手の起用意図と彼のプレーについて。
「選手たちはチャンピオンシップからずっと連戦。このクラブワールドカップでも3戦目でした。厳しい日程の中、それでも疲れを見せず、ファイトしてくれた。持っているものを全て出してくれました。
今日の試合も前半は相手の圧力に押し込まれていたように見えていましたが、これまでのシーズン同様、耐えるところは耐えていました。ただ、僕の記憶によればこの前半で4回、決定機をつくりましたが、相手の決定機は前半は0でした。決めるところを決められず、後半また相手の圧力を受けることになり、最後はセットプレーから失点してしまいました。非常に痛かったです。
ただし、選手は持てる力を発揮してくれました。我々がサンフレッチェらしく戦って、最後まで戦い抜いてくれたことは、誇りに思います。勝って、広島をアピールしたかったんですが、それができなくて残念でした。
皆川選手の起用については、特に試合開始のところではおそらく押し込まれる展開が多くなるだろうと予測していました。その時に、できれば前線で起点になる、何度かルーズボールをマイボールにする、相手に自由にさせることなく、フィフティフィフティのボールにするとか、前線での起点、裏への抜けだし、相手のゴールに向かうことを期待して起用しました。十分、期待に応えてくれました。決定機を決めることができませんでしたが、そういうところに顔を出す、決定機を演出するという部分の、起点になる動きも含め、十分に起用の意図は見せてくれましたし、いいプレーをしてくれたと思います」

――サンフレッチェのクラブ史上、公式戦では最強の相手だったと思いますが、その相手と素晴らしい戦いができたことは、クラブの財産になると思います。
「そうですね。今日の対戦相手は世界の強豪で、スピード・パワー・テクニック・考えるスピードも含めて、非常にレベルの高いものでした。その中で、我々が真剣勝負の中で体感できたことは、今後の成長の糧になると思います。ただし、惜しいで終わりたくなかったです。
選手たちは、試合前もハーフタイムでも、試合内容は別として「必ず勝とう」「最後は絶対に勝って終わるんだ」と話ながらプレーしてくれました。そこで勝って得るものがあれば、よかったんですが、少し残念な結果になってしまいました。
今日の経験をふまえ、国内での大会、来年のACLに向けて、今日の感じたレベルを我々が少しでもできるようにやっていきたいと思います」

――戦術について。また、GKの林選手は非常に多くの危険な場面でいい仕事をしたと思いますが。
「相手が立ち上がりから、ハイプレッシャーをかけてくるだろうと予想していました。そこで我々は相手が前からかかってきた時に、まずは奪ったボールをしっかり動かせるように、相手が前にかかってきているのであれば、背後をとる。皆川を起点に、他の選手が前向きで行動できるように。その意図はうまくいっていたと思っています。
たしかに、危険な場面を多くつくられてしまいました。失点の場面は痛いものになってしまいましたが、そこまでGKの林がよくしのいでくれていました。今シーズン通して、ずっと彼がいいパフォーマンスを見せてくれていましたし、今日の試合もこれまで通りハイパフォーマンスをみせてくれました。負けてしまったことについては、非常に悔しいですが、やれていた部分を自信にして、課題とも向き合っていけるような選手になってほしいです。林はよくやってくれました」

――相手が圧力をかけてくる、それを耐えて、サンフレッチェの試合に持ち込む。森保監督の思い描いた通りの試合になったと思います。後半、ミキッチ・浅野を投入しましたが、最後のところで攻撃のチャンスになりませんでした。誤算があったのか、何か理由があったのか。
「失点のところまでは、今日思い描いていた試合運びで進んでいました。そこで何とか我々が先制点を奪って、いい形で攻められれば、試合を進められればよかったんですが、ファウルからフリーキックを与え、そこからの失点になりました。押し込まれた状態が多い中、選手はよくバトルしてくれました。勇気を持って球際も戦ってくれました。ただ、ギリギリの状態でファウルすることが多く、それが最後積み重なって失点してしまったと思います。あの失点のところまではプラン通りでした。足りなかったのは先制点だけです」

――地球の裏側から12時間以上かけて1万人以上のファンが来ていたリーベルプレートと、新幹線で2時間弱でこれるのに、1/3から1/4しか来なかった広島のサポーター。その事実をどう受け止めていますか。アウェイのような雰囲気でそれが選手に影響を与えたことはありますか。
「まずはサッカー文化の違いを感じました。言葉が合っているのかわかりませんが、「おらが街のチームをどこまでも応援しよう」とリバープレートのサポーターたちは、地球の裏側から日本まで来て応援するところ。我々のサポーターも非常に多く駆けつけてくれたと思います。ただ、日本のサッカー文化はまだ20年そこそこ。その違いが今日のスタジアムの雰囲気につながつたと思います。
今日はアウェイのような雰囲気の中での戦いになりましたが、選手たちはそこで圧倒されてはいませんでした。本当に勇気を持って、ファイトしてくれていました。我々の選手は持っている力を出し切ってくれました。
今日のリバープレートのサポーターの方たちの勝利の喜びが伝わってきていました。日本もこのサッカーを取り巻く環境が、もっともっとサッカーの歴史のある国に追いつけるよう、まずは我々がしっかり戦うこと。多くのサポーターの方たち、地域の方に、我々を応援してくださる方が、一人でも多くなってもらえるよう、努力する必要があると思いました」

――リーベルの強さの秘訣について。
「ボールのせめぎ合いの部分、球際の強さ、執念。そこに強さを感じましたが、決してウチの選手たちも負けてはいなかった。ただ、彼らはボールが来る前からしっかりと判断している。ボールを止めてから考えるのではなく、オフ・ザ・ボールのところの判断が速い。こちらの嫌がることをやってくるし、アイディアもありました」

――リーベルのカルロス・サンチェスやレオナルド・ピスクリチあたりに手を焼いていましたが。
「そこはスカウティングしていました。2トップ+3人のMFのところは流動的でしたしね。対応していこうと言ってましたし、試合巧者でしたね。ただ、手を焼いていたのかもしれませんが、失点していない。身体を張って止めることは、やってくれました」

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