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2015/12/4(金)19:15

広島前日練習レポート(12月4日)【決勝】

 リラックスしたムードの中、前日練習が行われた。(写真提供:紫熊倶楽部)
リラックスしたムードの中、前日練習が行われた。(写真提供:紫熊倶楽部)

おそらくは当時のJリーグブームを除けば、広島史上最多となる試合前日練習におけるメディアの数であろう。サンフレッチェの番記者や地元のテレビ局だけでなく、東京や関西在住のスポーツライターや雑誌・新聞の記者まで100人をはるかに超える報道陣がエディオンスタジアム広島に集まり、広島の練習を注視した。

30分間のミーティングを終えた後、選手たちはピッチへと入ってきた。響き渡る多数のシャッター音。だが、緊張感の中でも選手たちに笑顔が満ちていたことにほっとした。メディアの喧噪を力に変える準備は、過去2度の優勝経験によってできている。そう感じさせる練習の入りだった。

メニューはいつもの前日練習からセットプレーのトレーニングを省いた形。紅白戦も行ったが、「頭と身体を目覚めさせるためのもの」(森保 一監督)であって、戦術的な確認などは特になし。あくまでも、いつもどおり。それをやりぬく覚悟である。実際第1戦では失点に直結したミスだけでなく、いつも通りのプレーが出来なかったシーンが散見された。だからこそ危機感を覚える選手もいたわけだが、それは練習とミーティングで十分に修正できる。

森保監督の特長の一つにコミュニケーション能力があるが、チャンピオンシップの後もそこは発揮されている。昨日は佐藤 寿人と長く会話をかわし、今日はミキッチと通訳抜きで言葉をかわした。「ハードワーク!ハードワーク!」。繰り返す広島の大天使の熱弁を、しっかりと受け止める指揮官。選手間の会話もいつもどおり活発で、笑顔の中にも真摯な姿勢が見える。「もう、初戦のようなミスは起こらない」。森崎 和幸の力強い言葉も、練習での光景を見る限り、大丈夫だという手応えもある。

真冬のような冷たい風が吹いたエディオンスタジアム広島がある広島市安佐南区の明日の天気予報は晴れ時々曇り。昨年のような雪や気温1.3度という極寒は回避されそうだ。ただ、12月のナイターである。防寒対策には万全を期して、ぜひご来場いただきたい。2015年度のチャンピオンを決める最重要な決戦の目撃者となるために。

[文:中野 和也]

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