シャレン!Jリーグ社会連携
サンフレッチェ広島
ぶち紫大作戦
クラブ創立30周年を迎えた2022シーズン。サンフレッチェ広島は、広島県内の新小学1年生すべてを対象に、紫色のオリジナルキャップを贈呈する事業をスタートさせた。株式会社高宮運送様協力の元、広島県教育委員会や県内23市町の教育委員会の承認を得て、約25,000人の児童に帽子を配布。広島東洋カープの赤いキャップが街にあふれる中、新小学1年生に紫の帽子を毎年贈呈することによって、6年かけて県内の小学校すべてを紫色に染める「ぶち紫大作戦」を計画した。ここ数年はコロナ過で外遊びをする子供たちの数も減り、運動不足も叫ばれている。地球温暖化の問題もあり、熱中症対策の意味も含めて活動を継続していきたい。
- 活動場所
- 広島県内の全小学校
- 協働者
- 行政、企業、学校
- 協働者名
- 株式会社高宮運送、広島県教育委員会、県内23市町の教育委員会、県内461小学校
協働者の声
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株式会社高宮運送 代表取締役/高宮 徳和 氏
多くの子ども達から「帽子をずっと大切にします。ありがとう。」という声を頂いており、登下校で紫色の帽子をかぶった児童の姿を多く見かけるようになりました。今回の取組により、持続可能な環境・経済・社会の実現・貢献していくことを大きく宣言することにつながりました。広島という街のことについて皆が深く考えていく、街づくりの輪が一層広がっていることを確信しています。
活動詳細情報
1.公式サイト
3. よんななニュース
4. 中国新聞
6. NHKニュース
7. dmenuニュース
8. livedoorNEWS
ストーリー
2017年にクラブ創設25周年企画として、小学1年生パスポート事業(パスポートサイズの手帳にスタンプを押印し、ホームゲーム全試合招待。来場数に応じて3回目、5回目、7回目、10回目にグッズをプレゼント)を開始した。低年齢の時から“本物”を感じる事でサッカー文化の醸成を図ろうと試みたが、申込者や来場数が年々減少していき、2019年には申込率が1.5%(25,000人の対象に対して380件)、1試合平均の来場者数は約3割(100名前後)まで落ち込んだ。見直しを迫られたパスポート事業は、コロナ過もあり2年間休止となり、2021年をもってわずか3年の稼働で終了した。
2022年のクラブ創設30周年を機に方針を変換。試合会場に来てもらう招待事業から、新小学1年生全員に帽子を配布することにより、サンフレッチェを“日常的に感じてもらう”方向へ舵を切った。この企画を実施するにあたり、広島県教育委員会をはじめ、県内23市町の教育委員会の理解もいただき、国立、公立、私立の小学校467校、約25,000人の新1年生に帽子を配布した。広島県は指定された制帽がある小学校がほとんどなく、近年の地球温暖化現象のへの危惧もあり、学校現場からは感謝の言葉を多くいただいた。また、コロナの感染状況が徐々に好転していく過程で外遊びの機会も増えてきた。熱中症対策という意味でも保護者からのお礼のメール、新聞への投稿などポジティブなフィードバックもたくさんいただいた。
帽子と言えば野球、野球と言えば広島東洋カープという土壌の中、街で見かけるのは赤いキャップばかり。つまり現状の「プチ紫」状態から、「ぶち紫(ぶち=とても、すごく、という意味の広島弁)」に反転するためには地道な活動が必要と考えた。毎年この活動を継続すれば、5年後の2027年には広島県内のすべての小学生が紫の帽子を保有することになる。普段の生活で“紫”を身に付けた子供たちや、それを見た周辺地域の住民の方々にとって、サンフレッチェ広島が身近な存在となっていくことを願っている。
初年度となった2022年は、趣旨に賛同していただいた株式会社高宮運送様の協賛と、JリーグtoC施策予算で制作費用をカバーした。森﨑浩司アンバサダー(広島市立基町小学校)、仙田社長(府中市立府中北小学校)が直接子供たちに帽子をかぶせる贈呈式が民放4局とNHKのニュースで報道され、WEBメディアでも広く周知された影響もあったからか、活動2年目となる2023年は、SDGsの観点から10社が協賛に賛同し、toC予算に頼らず自走できるようになった。
クラブ、各市町の教育委員会、学校、協賛企業の連携の元、サンフレッチェ広島の「ぶち紫大作戦」を今後も継続していきたい。2024年の新スタジアム開業、そしてその先に続く子供たちの笑顔のために。