清水vsFC東京の見どころ(JリーグYBCルヴァンカップ:2017年5月31日)
一覧へJリーグYBCルヴァンカップ グループステージ 第7節 2017年5月31日(水)19:03KO IAIスタジアム日本平
試合終了
21前半1
1後半0
13SH6
4CK2
16FK17
1
リーグ戦前の探り合い。清水は守備を修正し、意地を見せられるか
清水は公式戦ここ11試合勝ちなし。しかも、ホームでは今季8試合で2分6敗と1勝もできていない。直近のリーグ戦でも、横浜FMに同点に追い付いた直後に引き離されるなど、流れが来ていない印象が残る。
清水のJリーグYBCルヴァンカップ前節は大宮戦。両チームともすでにグループステージ突破がなくなった中で行われた試合は、開始直後にすう勢がほぼ決まってしまった。4分、大宮の右CK。岩上 祐三のボールに高山 和真が合わせてあっさりと先制を許してしまう。さらに、14分にも右CKを献上。河面 旺成のヘッドはディフェンスがクリアしたものの、こぼれ球を黒川 淳史に押し込まれて2点目。序盤の2失点で意気消沈したチームは、決定機を作ることができないまま時間だけが過ぎ、73分にはネイツ ペチュニクが右サイドを抜け出してマイナスのクロス、そのボールを岩上に沈められて3点目。さらに、81分にも奥井 諒に決められた。ルヴァンカップはこれで5連敗となっている。
一方のFC東京は前節、柏と対戦。序盤に左CKを獲得し、橋本 拳人が頭で合わせたのを最後に、柏の攻撃陣に押される場面が目立つ。後半に入っても柏の猛攻が続く中、56分に前田 遼一を投入すると、流れは一変した。72分、徳永 悠平のクロスに前田が頭で合わせ、貴重な先制ゴールを挙げる。この1点を守り抜いたFC東京が勝点3を積み上げて、Aグループ3位以内を確定させた。
今節は、清水にとっては前節に続く消化試合となっているが、FC東京にとってはプレーオフステージを戦わなければいけない2、3位にはなりたくない状況。引き分けでも首位突破が決まる状況だが、方向性をハッキリしないと難しい試合になりそうだ。
清水の課題は守備にあるだろう。ルヴァンカップは5試合で13失点。特に前節で露呈したセットプレーの弱さは、「個人の問題」と小林 伸二監督が見ているように、ディフェンス陣を集めて居残り練習を課している。守備面は早急に改善しなければいけない。ケガ人が続出している中で、レギュラー組を混ぜながらの編成となりそうなチームを、小林監督がどのように修正してくるのかがポイントになる。
FC東京は4勝1敗と安定した成績を残しているが、6点を挙げた初戦の仙台戦を除き、残りの3勝は全て1点差の勝利とラクな展開を作れていない。また、直近のリーグ戦でも甲府に引き分けるなど、スッキリしないゲームが続いている。先制、そして追加点と相手を圧倒するような戦いで、気持ちよくノックアウトステージに進みたい。
この両者は週末にもリーグ戦で対戦するため、腹の探り合いというところもあるかもしれない。しかし、先勝して相手にプレッシャーを与えたいところでもある。そこに、どう折り合いをつけるのか。清水としてはカップ戦、リーグ戦と続いた仙台戦で2連敗、しかもともに3失点という苦い過去があるため、全力で勝ちにいきたい。
[ 文:田中 芳樹 ]