清水vs川崎Fの見どころ(明治安田生命J1リーグ:2017年9月16日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第26節 2017年9月16日(土)18:03KO IAIスタジアム日本平
試合終了
00前半2
0後半1
6SH12
7CK6
15FK13
3
ホーム川崎F戦は相性良し。ACLの逆転負けも清水を後押しするか
両者の前回対戦では、金子 翔太がJ1通算2万ゴールを決めて先制。その後は川崎Fに完全にボールを支配されて逆転を許すも、90+5分にチアゴ アウベスのJリーグ初ゴールが決まって土壇場で追い付くという、清水にとっては劇的な試合になった。
清水は、今季初の3連敗を喫した中で前節・甲府戦に挑んだ。立ち上がりから甲府にボールを持たれ、防戦一方の状態。その中で、28分には白崎 凌兵から、前半アディショナルタイムには松原 后からのクロスでチャンスを作るも、いずれもミッチェル デュークが決め切れず、前半は0-0で折り返す。後半もこう着状態が続くが、70分にまさかのプレーが起こる。GK六反 勇治のロングキックに前線で競り合ったミッチェル デュークが、相手選手と接触して頭を押さえて痛がると、甲府のDF陣は一瞬足を止めた。そのスキを逃さなかった。北川 航也がボールを要求すると、ミッチェル デュークは頭を抱えたまま、ヒールでペナルティエリア内に送る。これを北川がワントラップから豪快に決めて決勝点。清水は7勝目を挙げた。
ただ、内容的には清水がほぼ劣勢の試合だった。相手の精度に助けられた部分もあったが、川崎Fを相手にした場合はそうもいかないだろう。今節は松原 后が累積警告で出場停止となるため、守備陣に不安はある。それでも、チアゴ アウベス、鄭 大世という2枚看板が今週は全体練習に合流しており、出場すれば脅威を与えることになるだろう。また、ホームでの川崎F戦の戦績は7勝2分3敗と大きく勝ち越しており、その相性の良さが清水を後押しする。
川崎Fは13日に浦和とAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第2戦を戦っている。ホームでの第1戦を3-1で勝利した川崎Fは、優位な立場で埼玉スタジアム2002に乗り込んだ。19分に、中村 憲剛の縦パスに抜け出したエウシーニョがゴールを決めて、準決勝進出の可能性はより川崎Fに傾く。しかし35分、興梠 慎三にゴールを決められ、その直後に車屋 紳太郎が一発退場となると、雲行きが怪しくなる。70分にCKからズラタンに決められると、84分にはラファエル シルバのゴールでトータルスコア4-4と同点とされる。勢いは完全に浦和にあった。その2分後の86分に高木 俊幸のシュートが決まり、川崎Fはまさかの準々決勝敗退となった。
だが、明治安田J1ではいま最も波に乗っているチームと言っていいかもしれない。前節は堅守を誇る横浜FMから3点を奪って快勝。リーグ戦6戦負けなしで2位に浮上している。ACLを戦った心理的、または肉体的なダメージはあるかもしれないが、そこをどう乗り切るのかが問われる今節。それでも、中村 憲剛が車屋の退場の影響により42分の出場にとどまったため、それが今節では逆に吉と出るかもしれない。首位の鹿島とは勝点6差。この試合で勝利が欲しいところだ。
[ 文:田中 芳樹 ]