清水vs甲府の見どころ(明治安田生命J1リーグ:2017年6月25日)
一覧へ明治安田生命J1リーグ 第16節 2017年6月25日(日)18:03KO IAIスタジアム日本平
試合終了
10前半0
1後半0
8SH2
4CK4
12FK18
0
- 60'二見 宏志
求められるのは勝利。“富士山ダービー”を制すのは
清水がJ2に降格した2015年の明治安田J1 2nd最終節以来の対戦。当時、清水はすでに降格が決まっていたが、2nd第16節・山形戦に勝利してクラブワーストとなる10戦勝ちなしを止めており、連勝してなんとか一矢報いたいところだった。しかし、後半に白崎 凌兵、北川 航也のゴールで2点リードを奪ったものの、20分後には同点に追い付かれ、最終節を飾ることができなかった。
今回は、ともに勝点15、得失点差でわずかに上回っている13位・清水と、14位・甲府の対戦となり、両者にとっては負けられない試合になる。リーグ戦通算対戦成績は8勝3分1敗と清水が圧倒しているが、ここ3試合清水は勝っていない。
清水は直近の公式戦である天皇杯2回戦・北九州戦では、11分に角田 誠のゴールで先制したものの、なかなかボールを支配できない状況が続く。それでも後半にエンジンがかかり、長谷川 悠の2得点、竹内 涼の今季初ゴールでリードを広げ、北九州に1点を返されたが4-1で快勝。危なげなく3回戦にコマを進めた。
一方の甲府は、天皇杯2回戦でJFLに所属するヴァンラーレ八戸と対戦。リーグ戦からメンバーを11人入れ替えて臨んだ中でもJ1の意地を見せたいところだったが、攻撃の歯車がかみ合わず前半を0-0で終えると、67分だった。左CKから最後は成田 諒介が押し込んでヴァンラーレ八戸が先制。終盤は甲府が猛攻を見せ、最終的にヴァンラーレ八戸の倍以上となる12本のシュートを放ったが、1点が遠く、ヴァンラーレ八戸に屈した。甲府は当時J3の大分に敗れた前回大会に続き、2年連続2回戦でジャイアントキリングを許してしまった。
天皇杯の結果は好対照となったが、両チームともリーグ戦の流れは同じで、勝ち切れない試合が続いている。清水は現在、クラブワーストの10戦勝ちなしに迫る9戦勝ちなし。とはいえ、前節は暫定2位のC大阪に後半アディショナルタイムにPKで追い付かれたが、上位チーム相手に勝点を挙げている。だが、一方で失点が止まらないという課題もある。最後に勝利した第6節・柏戦(2-0)以来、無失点試合が一つもない。失点24はリーグで4番目に悪い数字だ。ここを改善しなければ、勝利を収めることも難しくなるだろう。攻撃では先の天皇杯でセットプレーから2得点。リーグ戦ではいまだにセットプレー(PKを除く)でゴールを挙げることができていないだけに、新たな武器となれば、試合展開をラクにできるかもしれない。
甲府は前節、8連勝中の柏と対戦。前半には新井 涼平が、後半にはエデル リマが枠内に強烈なシュートを放つも、GK中村 航輔のファインセーブに阻まれ、逆に柏のクリスティアーノ、ディエゴ オリヴェイラのシュートをGK岡 大生がこちらもファインセーブでしのぐなど、両チームともGKの頑張りがありドロー。甲府としては、柏の連勝を止めるという大仕事をやってのけている。
前節は上位との対決でともに勝点1を挙げた両者だが、この試合は勝利が求められる。13回目となる“富士山ダービー”は熱い試合となることは間違いない。
[ 文:田中 芳樹 ]