G大阪vs清水の見どころ(天皇杯:2016年11月9日)
一覧へ天皇杯 4回戦 2016年11月9日(水)19:00KO パナソニック スタジアム 吹田
- 112'長沢 駿
前人未到の3連覇を目指すG大阪、堂安律も出場か
「終わりよければ全て良し、ではないけど、最後はタイトルを取ってシーズンを終わりたい」。倉田 秋の言葉はG大阪にとっての総意でもある。
市立吹田サッカースタジアムが稼動した2016シーズン、AFCチャンピオンズリーグを含めて、ここまで無冠に終わっている大阪の雄にとって、もはや今季最後のタイトルを懸けた舞台が天皇杯。「ACLには毎年出たい」と守護神の東口 順昭が話すように、来年のACL出場権獲得に向けても、手にしたい天皇杯である。
ACLに出場していたこともあり、4回戦からの登場となるG大阪の対戦相手は、明治安田J2で3位の清水。現在7連勝中で好調の清水は、長谷川 健太監督にとっても古巣にあたるが、「清水戦が一番難しい試合になる」と警戒感を口にする。
キリンチャレンジカップ2016のオマーン戦と、FIFAワールドカップロシア アジア最終予選のサウジアラビア戦に向けた日本代表に東口と攻守のキーマン、井手口 陽介の2人を送り出していることもあり、メンバー構成も悩みの種だが、長谷川監督は「清水は100%、メンバーを落としてくるはず。むしろベストの布陣で来られるほうが、顔触れも分かっているのでやりやすい」と本音を明かす。
リーグ戦で3位の清水は、首位の札幌との勝点差がわずかに「3」。天皇杯から3日後にはリーグ戦を控えていることもあり、主力を温存する可能性は十分にある。
天皇杯に関しては、失うものがない立場の清水と、ディフェンディングチャンピオンとして挑むG大阪。
「簡単な試合にはならない」と清水へのリスペクトを口にする長谷川監督だが、チームには追い風も吹いている。J1 2nd最終節はアウェイで、後半に大逆転。川崎Fに対して2-3で勝ち切った。「川崎F戦の後半はプレーしている僕らも面白かった。ああいうサッカーを、清水戦では最初から見せたい」と倉田が手応えを口にするように、アデミウソンを最前線に配置する攻撃陣は随所に鋭さを見せている。
そして、AFC U-19選手権バーレーン2016で日本サッカー界初の優勝を勝ち取ったU-19日本代表の主力である18歳の堂安 律も清水戦でベンチ入りは確実だ。「試合に出てアピールしたい」(堂安)とAFC U-19選手権でMVPに輝いた俊英は、その力を見せるべくスタンバイ中だ。
伝統ある天皇杯の決勝が関西圏で開催されるのは1964年以来、52大会ぶり。市立吹田サッカースタジアムで行なわれる「元日決戦」に向けて、まずは好発進を切りたいG大阪だ。
[ 文:下薗 昌記 ]