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【ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 新潟】レポート:F東京が新潟に勝利。20年後に夢を叶えたサッカー少年たち(13.05.16)

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93年5月15日に、国立霞ヶ丘競技場でJリーグが開幕した特別な日からちょうど20年。F東京と新潟が、2013年5月15日、V川崎と横浜Mが対峙した同じ場所に立った。スコアは当時と同じ2−1。勝利を挙げたのはF東京だった。石川直宏が先制点を決め、一度は新潟に追いつかれたが、三田啓貴の公式戦初ゴールで勝ち越した。1試合消化が早いF東京は全日程を終え、ヤマザキナビスコカップ予選リーグ敗退が決定。同組の鹿島が大分を破り、C大阪が鳥栖を下して両クラブの決勝進出が決定した。

「20年前は夢が目標に変わった瞬間だった」。笑顔に溢れた国立の観客席に座っていた12歳のサッカー少年は20年後、熱視線を注いだピッチの上に立っていた。そして、ピッチに歓声を送っていた石川が、それを受ける立場となった。
「国立はなぜかパワーがみなぎる」と話す。プロ初出場も、初得点もこの聖地が舞台だった。初めて国立のピッチに立った瞬間は今でも記憶している。ピッチから眺めるスタジアムに興奮し、自分がいたスタンドを感慨深く見つめたそうだ。その場所に座った誰かを、再び笑顔にしたはずだ。

試合が動いたのは51分、東慶悟がスローインを受け、左サイドを抜け出してクロスを送った。ペナルティエリアの外で待ちかまえた石川は、目の前でワンバウンドしたボールに合わせて小刻みにステップを踏む。右足を振り抜く瞬間、「コースが見えた。だからダイレクトで打った」と言う。シュートの軌道を目線で追う。ネットにボールが突き刺さるのを見届け、ゴール裏に向かって走り出す。歓声に包まれると、「やっぱりゴールっていいなって思えた」と、喜びを噛みしめた。

しかし、65分、新潟も反撃に出る。左サイドで田中亜土夢がボールを持つと、ゴール前に岡本英也が入ってくる。岡本は「練習から亜土夢のボールを受けていたし、ここ最近はあのタイミングで上がってくる」と出し手に合わせて動き出した。イメージ通りのボールに「いいボールがきた。後は当てて枠にというイメージだった」と頭でボールをたたきつけ、出し手と受け手がかみ合った得点を挙げた。岡本は試合後、複雑な表情を浮かべたが、「負けてしまったけど、自分のサッカー人生にとっていい経験。忘れられない試合でした」と振り返った。

試合は振り出しに戻ったが、ここで「今日はヒーローになる」と自らに言い聞かせて途中出場したルーキーが魅せた。82分、李忠成が縦パスをヒールで流し、それを三田が受けると右サイドに展開。そこから「信じてゴール前に走った」。徳永悠平から再びボールを受けると、左足でゴール左上へと流し込む。自身プロ初ゴールが決まった瞬間、ゴール裏へと走り、飛び上がって拳を振り上げた。これが決勝点となってF東京が勝利を飾った。記念の試合で初得点を決め、試合当日から三田の携帯電話が鳴り続けた。恩師、友人、知人からの祝福の言葉を1つずつ返信し、「1つの夢が叶った。また1つ1つ積み重ねたい」と、喜びの声を上げた。

試合後、石川は「監督も今日この場にいる子どもたちに何かを感じ取ってもらえるプレーを魅せようと話していた。(20年前の)自分がそうだったように、それを意識してプレーした」と語った。
20歳の誕生日を迎えたJリーグ。それよりも年下の選手もいる。真新しいプロサッカーに憧れた時代は過ぎた。これからは毎日の生活に寄り添い、ずっと付き合っていく、新しいJリーグの形を築く時代だ。そんな関係ができるのもサッカーの良さだ。なぜなら夢を抱いたサッカー少年が、それを20年後の同じ日、同じ舞台で叶えるのだから。夢の重なりが、次のJリーグを形作っていくはずだ。ハッピーバースデーJリーグ!

以上

2013.05.16 Reported by 馬場康平
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