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【J2:第10節 松本 vs 東京V】レポート:ベテランとルーキーが演出した、手に汗握るスコアレスドロー。そして「ハッピーバースデー、Jリーグ!」(13.05.16)

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キックオフ前、ホームゴール裏からJリーグの誕生日を祝う「Happy Birthday to you」の大合唱が響いた。そう、この日はJリーグの誕生日だ。この歌は2007年5月22日をもって日本での著作権が消滅したので歌詞と楽譜を書いても問題はないが、紙幅の都合もあるので止めておく。
どこか祝祭の雰囲気が漂うアルウィンを、真面目な人は「真剣味が足りない」と怒るかもしれないが、個人的にはそれも悪くないと考える。やはり『Jリーグの日』に試合が開催されるのだから、盛り上がるのも当然。今季初のナイトゲームということもあり、日が沈み始めるころにはやや肌寒くなったが、スタジアム内は徐々に熱を帯びていった。こういう雰囲気のなかでのゲームは得てして内容が反比例することも多い。結果だけを見ればスコアレスドローなので、なおさらそう思う人もいよう。しかし、手に汗握る0-0であったことは、試合後に選手たちに送られた多くの拍手と声援が証明している。

公式記録を見るとこの試合の内容が理解できる。シュート数に大きな差はない(松本9本、東京V13本)が、CKは東京Vが9本に対して松本はわずかに1本。そして、GKはというと東京Vの8本に対し、松本は20本だ。つまりサイドからのセンタリングやペナルティエリア内での仕掛けといった、シュート数に現れない得点機が東京Vにはあったということだ。この日の殊勲者である野澤洋輔のビッグセーブにより生まれた数字だ。

お互いに中2日でのゲーム。フレッシュな選手を起用するか、あるいは選手の変更を最小限に留めるかは蓋を開けてみなければわからなかったが、前節から3人を入れ替えるなど動きを見せたのは松本。なかでも注目の野澤は今季初出場。春先から左脚ふくらはぎの負傷で調整を余儀なくされていたが、回復を見せた第11節・福岡戦からベンチ入り。そして、「ディフェンスの不安定感があった」と見た反町康治監督により、最後方からのコーチングを期待されての先発起用だった。
この起用がずばり的中。前節・神戸戦からの好調を維持する高原直泰・西紀寛・飯尾一慶ら(特に飯尾は2列目からの突破が冴え、シュート4本を放った)東京Vアタッカー陣の猛攻を大胆な飛び出しで阻止。また、決定的なシュートも3本ストップ。「ゼロには抑えたがまだまだ」と課題点を口にしたが、90分間を通して集中を切る場面はなく、完全復活を大きくアピールした。

あとはカウンターからゴールを割れれば松本としては狙いどおりで、事実幾度か場内が期待で沸く展開も作ったものの、ピンチの芽を摘んだのは東京V・井林章。3バックの中心として機能し、ターゲットマンの松本・塩沢勝吾とのマッチアップでも強さを見せるなど、後方からのロングボールをことごとく処理。試合後の両者は「ヘディングの競り合いは自分の長所。自由にやらせないことを意識した」(井林)、「競り負けることが多く、前線でボールを収めることができなかった」(塩沢)と両極端な表情をのぞかせるほど。サッカーはチームスポーツという観点から、試合での個人評価には積極的ではない三浦泰年監督も「今日は中2日だが、強気で相手を恐れないプレーをした」と高評価を下した。

フィニッシュの精度や簡単なパスミスなど溜息で終わってしまう場面も見せたのは事実だが、一方は経験豊富なベテラン、もう一方は新進気鋭のルーキーが中心となり、それぞれ持ち味を発揮。手に汗握る好ゲームを演出した。お互いに勝点3が欲しかったところだが、90分間最後まで足を止めずに走り続けた選手たちの泥臭さとひたむきさは観ているファン・サポーターの心に確実に届き、0-0のゲームを熱くした。

最後に、東京Vのサポーターの皆さんを、この記念すべき日にアルウィンへとお迎えできたことを本当に光栄に思います。この20年の間、名門は幾度か経営危機を迎えました。しかし、その苦しい時を支えたのはサポーターの皆さんでした。そして東京Vはそのサポーターの愛に報いるために歩みを続けています。皆さんの存在は、間違いなくJリーグの誇りです。

以上

2013.05.16 Reported by 多岐太宿
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