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【J2:第36節 京都 vs 熊本】レポート:激しいプレスを見せた熊本と後半にエンジンがかかり相手ゴールに迫った京都の一戦は、結局互いに決め切れずスコアレスドロー。(14.10.12)

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西京極での京都と熊本のゲームは互いに決め切れずスコアレスドローで、勝点1を分けあった。熊本は右サイドバックにキムビョンヨンを、FWに齊藤和樹、その下に澤田崇を起用。京都は磐瀬剛を初先発させた。

ゲームは互いに堅い入りとなった。開始早々に磐瀬から大黒将志に送られ、大黒がシュートを放つと、熊本も6分に岡本賢明がシュートを放ちCKを得るなど攻撃姿勢を出す。
流れとしては熊本のプレスに京都がどう対応するか、というものだった。熊本のプレスが機能したかどうかは、京都がドウグラスの頭をどれだけ狙ったかということに表れる。熊本・小野剛監督は「ウチのプレスがある程度はまってくると、京都としての逃げどころのひとつがドウグラス選手の頭、そこでセカンドボールというところ」と分析していた。そして片山奨典から藏川洋平に替えて、キムビョンヨンをドウグラス対策にあてた。ただ、京都がその高さを生かしてポイントを作って押し込んだか、と言えば、なかなか機能しなかったのも事実。ドウグラスへのパスがずれたり、そのセカンドが京都有利にならなかったりと、互いのチームに意図はあるが、それがスタンドを沸かす所まで到達しなかった。

後半に入り、ゲームが動き出す。後半9分に熊本・養父雄仁がミドルシュートを放ち、京都・駒井善成がシュートを放つと、後半15分に、京都がパスをつないで左サイドバック福村貴幸のクロスを演出、中央の大黒が頭で合わせるシーンを作る。さらに同23分には左サイドから田森大己が入れたクロスを一度は跳ね返されたボールを途中出場の山瀬功治から大黒へ入れると、大黒がGKの逆を突くシュートを放つ。だがGKの足に当たりゴールならず。その後も、一本のロングボールに駒井が反応し、素早く中に折り返して大黒が決定機を迎えるも決め切れなかった。試合終了間際には、熊本が左サイドをえぐり最後は園田拓也が決定機、というところまでいくが決め切れず。結局、得点に至らず、両チーム無得点のままタイムアップを迎えた。

熊本・小野監督は試合後「強気でプレッシャーをかけ続けて、そういう形から攻撃のチャンスを見出そうとしてやりました」と明かしたが、その通りの戦い方だった。そして、京都は前半、それに手間取った感はある。
前半33分ごろ、バックパスを受けた京都GK・杉本大地から右サイドのスペースを狙うロングフィードが出され、石櫃洋祐が抜け出したシーンがあったが、ブレスが強くなれば、こうした穴は開きやすくなる。要は、相手のプレスをどうかわすかがポイントになる、とは思っている。
高い位置からプレスを掛けると、最終ラインも上げなくてはならない。前線のプレスが非常に高いと、最終ラインもハーフウェーライン近くになる。その背後に広大なスペースが生まれるという理屈だ。そこを狙える様になると、空中戦に頼らず、プレスを打開できる。

少し話を変えるが、今年、FIFAワールドカップブラジル大会があり、予選リーグでスペインとオランダが対戦し、オランダが大勝した。スペインの守備は強烈なプレスだ。相手陣内だろうが強烈なプレスを掛けてボールを奪おうとする。そのプレスを空転させることができれば、穴はできるはずである。あくまで個人の印象だが、あの試合はそれを実現させた様な試合だったと思っている。
スペインが、プレスを掛けても思う様にボールを奪えない。よりプレッシャーをかけようとするスペイン。それで何が起こるかといえば、センターバックがボールへの意識を高めてしまうということ。それで、同点にされた元は中央へのクロス。オランダのFWに対し、中央のエリアでマークを緩めるという愚行中の愚行を演じてしまう。この時、オランダFWをマークしていたのがスペインは左サイドバック。センターバックではなく、サイドバックのマークの緩さが出た。ちなみにスペインはチリ戦で先制を許した時も相手FWのシュートシーンに右サイドバックがマークに入っていた。センターバック2人はボールへ集中、ボランチも前への意識しかなく、ゴール前はサイドバックがハッとしてシュートブロックに入る。昨年の京都の失点を観るかの様だ。

これを踏まえて、個人的な推論だが、今年のワールドカップを観て、世界ではプレスをかいくぐる方向へ動いていると感想を持った。具体的に表れているのが、サイドを広く使ったり、プレスの裏を狙うことと、一瞬のプレスをかわすビルドアップの向上。プレスを掛けられてもそれをいなして逆や裏のスペースへ。相手の視線がボールに集中すればするほど、その死角はスペースになる。それをグラウンド全面で表現すれば、サイドや背後へボールを入れて中央で仕留める、となる。オランダの3バックを守備の面ではなく、ビルドアップの向上の面で観てもいいのではないか。

熊本のプレスをいなして、かいくぐって欲しかった。本心はそこである。「パスは受け手」という言葉を信じる筆者にとっては、受け手のポジショニングとボールを動かす判断の遅さは気になるところである。
とは書きつつ、残り試合も少ない今、批判よりも次の試合である。次の試合へ向かう気力を養い、次節、松本に勝利するということである。

以上

2014.10.12 Reported by 武田賢宗
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