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【J1:第24節 川崎F vs F東京】プレビュー:メンバーの入れ替わりが予想される川崎Fは、4節での1巡目の戦いを理想として、そこに近づきたい。リベンジを狙うであろうF東京との多摩川クラシコは激しい戦いとなるはずだ(14.09.20)

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21歳以下の日本代表が招集され、参加しているアジア大会を見ていて、やはり川崎Fのサッカーは特殊なのだなと感じた。Jリーグ各チームから選考された選手の中にあって、キャプテンを任されている大島僚太に思うようにパスが集まっていないのである。たとえ大島が相手選手からのプレッシャーを受けていたとしても、川崎Fでならパスが出る、という局面でパスが出てこない。大島にパスが出ないと、攻撃を組み立てるのは難しい。普通にパスを受けられるイメージで待っているはずの大島と、それではパスを出せない、と感じるチームメイトとの状況認識の差の大きさが、風間八宏監督の作ってきたチームの意味なのだと改めて感じさせられた。

そんな大島を代表に送り出している間、川崎Fはメンバーの入れ替えを余儀なくされる事となる。大島がいないだけでもタフな状況なのだが、それに加え、2試合の出場停止を受けた大久保嘉人がこの試合も欠場することが確定。さらにここに複数のケガ人が発生しており、少しばかりの危機感がチーム内には漂っている。

たとえば、プロ入り後2試合目となるボランチでの先発が濃厚な谷口彰悟は「人が揃ってない。いろんなポジションで変わってますが、その中でもやっていかないといけない」と決意を口にする。そして「リズムが出ない中でもやり続ける必要はあると思います」と述べ、ある程度の苦戦を覚悟するような言葉を述べている。選手の入れ替わりについては中村憲剛が「激しくて付いて行けない」と苦笑いしつつ「難しい面もある」と発言。しかしこの言葉に続けて「面白い面もある」と述べている。中村が感じる面白さとは何なのか。それはたとえば代わりに出た選手の活躍なのだと話す。

「徳島は(安)柄俊が決めてくれて、今までにないチームの乗り方になった。もちろん嘉人とか(小林)悠が決めても嬉しいんですが、柄俊がはじめてゴールを決めた。そのタイミングも、よかったと思う」

安柄俊に代表されるこれまでチャンスをもらえていなかった選手の活躍も含めて総力戦という見方ができる。風間監督はその点について「選手はみんな一人ひとりが努力しているし、それが出てきてるんだと思います」と述べる。自主トレの時間を使い、各選手が各自に必要だと感じる練習を行う。流されてなんとなくやる練習とは違い、自分が強化すべき点を理解した上で行われる練習が、選手たちをもっとも効果的に成長させる。風間監督の指導は就任以来、サッカーをパターンで切り取り、それを練習させる、というものとは一線を画してきた。局面で必要な基礎的な技術を教えてきたのである。たとえば相手が守りを固める中で、どのように相手選手からのプレッシャーをかわしてパスを繋ぐのか。たとえば、相手がかけてくるプレスをどのように外せばいいのか。そうしたことを丹念に教えたことで、その認識はチームの共通理解となっている。そうした認識が風間監督の「うちの場合はなにか形でやってるわけではないので、それこそどういうメンバーでやろうが、うまくやれば問題ない」との言葉として出ているのである。
選手が変わってもやることは同じ。その基本的な部分の認識が選手間で共有できていることで、多少の選手の入れ替わりがあったとしても、ある程度対応できるくらいにはチームは成熟してきた。

ただ、それにしてもF東京は強敵である。4節で対戦したタイミングでは、まだボールの取りどころにちぐはぐさが残っており、川崎Fのパスワークに完全に翻弄されていた。しかしその後チームは戦術理解を深め、結果を出してきた。5試合連続で無失点試合を実現するなど現在は11試合負けなしと結果が出ている。

そんなF東京の選手で注目すべき選手の筆頭として名前を上げなければならないのが武藤嘉紀である。先日招集された日本代表において、アギーレ代表監督体制下での初ゴールを決め、一気に知名度を上げた売り出し中の選手である。大学在学中に何度も対戦しており、「よっち」とのニックネームで呼ぶ谷口彰悟も「しっかり動いて、その質もいいですし、前に前に推進力のあるところが出てると感じます」とコメントしつつ、代表での活躍について「刺激になりますね」と述べている。
その武藤にパスを渡すべく、高い位置からプレスを掛けるF東京の守備の中核を担うのが米本拓司と羽生直剛の攻撃的な守備であろう。ピッチ狭しと縦横無尽に走り回るその献身的な守備スタイルは、川崎Fにとっては脅威となる。ただ、川崎Fも黙ってプレスを受けるようなことはない。逆に彼らが出す"矢印"を利用して、うまくいなすことができれば特徴であるパス回しを発揮できるはずだ。自分たちの良さを出すためにも、川崎FとすればF東京のプレッシャーを外しつつ、マイボールの時間を伸ばしたい。またそうやって戦えた4節の対戦が「理想的な内容でできた試合だった」と田中裕介は話しており、その再現を狙うこととなる。

選手の入れ替わりがあるのが少しばかり気になるが、前述のとおり安柄俊のような頑張ってきた選手の活躍が、チーム全体を活性化させることもあるはず。もちろんF東京としたら4節のリベンジに燃えているはず。理屈抜きに盛り上がる多摩川クラシコは、自ずと気持ちがぶつかり合う熱戦になるはずだ。

多摩川クラシコの伝統に刻まれる名勝負を期待したいと思う。

以上

2014.09.19 Reported by 江藤高志
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