●マッシモフィッカデンティ監督(F東京):
「今日は勝ちたいという気持ちが試合のスタートから分かったと思います。このようなスタートになるとは正直思っていませんでしたが、ここ数週間勝ちに相応しい内容にも関わらず、多くの勝点を逃してきた。ただ選手たちには、物事がうまくいっていない時にもプロ意識をしっかりと持って、全力でやってくれたので感謝したいと思います。2−0になった時点で相手はどんどん前掛かりになってきた。戦術的に考えた場合、自分たちには相手の背後に多くのスペースが生まれてそこをついていくサッカーに鳴ったと思います。以前からG大阪のことはよく知っていますが、クオリティが高く、技術的に非常に高い選手が多く、特に真ん中の2選手は良い選手だ と思っていました。しっかりと相手の後ろにできたスペースをついていくことができて、その後3点目を奪うことができた。実際には6、7回決定的なチャンスをつくったと思いますし、その中で3ゴールを決めることができたことは良いパーセンテージだと思っています」
Q:実績のない選手を積極的に起用していますが
「契約期間はクラブと2年間結んである。プログラムというよりも、何かを作りあげる上では若い選手をしっかりとプレーさせる必要がある。その真意は、彼らに1分や2分チャンスを与えてプレーさせる意味ではなく、本当の意味でプレーさせるということです。選手の成長は、ミスを通して成長していくモノ、特に若い選手は。ただそれを恐れていてはチームとして何も作り上 げることはできない。時にはミスから試合に負けることも起こり得るが、実際にそういう選手を使っていく必要がある。2カ月、3カ月、4カ月、5カ月経ったどんどんそれは減っていくことは間違いないと思います。そういう選手たちが成長していく中でFC東京は上位にいるチームと競争できるチームになっていけると確信してい
ます」
Q:これだけ内容が良くて勝てないことをどう考えていたのか?
「テレビのインタビューでも答えましたが、記者会見の時にこうコメントしました。試合を皆さん見たので、何も言うことはありませんとその時は言いました。それで終わりです。あの試合は完全に支配していた試合だと思いますし、森重選手のひとつのミスで負けてしまった。あれだけ試合を支配した中で、そのミスに至るまでに90分間の中で2−0、3−0にしておかなければいけなかった。個人のミスはその時あったが、未来にも起こりえるモノだ。あそこにいたるまで10回チャンスを生かせなかった。DFだったり、GKという存在は1度のミスが失点につながるので、印象に残るが勝つ時も負ける時もある。目的に達するためには飢えが必要だと言う。まだ成し遂げていないし、まだ何も食べていないので飢えが必要だと思っています。そういう意味でも学んできたのは、良い意味で彼らは飢えている。選手には感謝しているが、しっかりと地面に両足をつけて謙虚さを持ったままでいてほしい。これから難しい状況は必ずあるので、そういった中でもしっかりと謙虚にやっていってほし いと思います」
Q:今日のプレッシングの狙いは?
「しっかりと特定の準備をしてきました。センターバックがボールを持った時に、サイドバックがどんどん上がってきてボランチを経由して展開してくる。それは分かっていました。高すぎるポジショニングは、今日は取っていなかったが、基本的には高い位置を取っていたので、サイドにボールがいった時に、プレスにいく。3分間で2点入ったことで、相手のSBがますます高い位置を取りだした。そのため自分たちはシステムを4-4-1-1に変えて武藤を左サイドに置いた。また、そうすることでFWの2人のマッチアップと武藤のスピードも活かせると思った。選手たちの戦術理解度も高くなっているので、すぐに対応することができた。これは選手たちが 注意力をもってやってきてくれた結果だと思う。試合はこのようになると予想して準備してきたし、それが結果として表れた。相手は強く、良いチームだったと思う。今シーズンのG大阪は非常に良いパフォーマンスをしながらも、負けてしまう試合を見ているし、彼らの実力を考えた時にふさわしい勝点ではないと思う。ただ、今日に関しては自分たちのプレーが非常に良かったと思う」
Q:日本人選手のプレッシングの理解度については?
「選手たちには『サッカーはタイミングによって成り立っている』と話した。ボールを奪うタイミングやプレスのタイミングなど。後は個人戦術がある。個人戦術をチームに融合させなければいけないので、まずは部分的に完成させ、それが結果としてチームを完成 させる。一見、複雑に見えるようだが、このような過程は日々積み重ねていくもの。選手たちは刻々と変わるあらゆる状況を読んで対応できるようにしていかなければいけない。そういった中で例えば、吉本のことを評価したい。彼は数年先発でプレーしていなかったが、常に新しいものを作り上げることができることを示してくれていると思う。東京に来て5カ月だが、若い選手が多く、エドゥーも中国で数カ月ほどプレーしていなかったのでしっかりと回復してトップコンディションに戻すことが重要だった。そういった様々な要素があり、幅広い視点からチームを構築していった。チーム作りは360度あらゆる側面からできていなければいけないが、それは私だけの力ではなく、コーチやトレーナー、クラブスタッフなど全員で作り上げていかなければならない。私がやりたいことというのは、イタリアのサッカーを良い意味で日本の文化と融合させて最高のものを作り上げていくこと。それがうまくいった時に確かなものになるはずだ」
以上
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