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【J1:第27節 清水 vs 甲府】レポート:内容では甲府が上回ったが、決定力では大きな差が表われ、清水がホームで3戦連続の逆転勝利(13.09.29)

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開始30秒と経たないうちに、左サイドの裏をとられて清水が先制点を奪われた場面は、まるで鹿島戦のデジャヴを見ているかのようだった。清水にとっては、開始10分以内に先制点を奪われたのが、ここ6試合で4回目。「終盤の失点がなくなっているのはいいことだけど、立ち上がりでは同じことを何回もやられている。もっと集中して入らないといけない」(本田拓也)という部分は、今の清水にとって最大の課題になっている。
だが、それでもまったく慌てなくなったのは、チームとして自信をつけてきた証拠。その後は落ち着いてポゼッションしながらリズムを回復していった。しかし、清水が苦手とする5バックの守りは、なかなか崩しきることができない。得意のサイド攻撃で数的優位を作ることができない中、狭いスペースをこじ開けるだけの速いパス回しを連続させられない状況が続いた。
その背景には甲府の帰陣の速さや運動量も光っていた。甲府も攻撃時のミスが目立って、そこから逆襲を受ける場面があったが、2シャドーのジウシーニョと河本明人も素早く戻ってすぐに守備のブロックを整える。そこからも細かいブロックの上げ下げをくり返し、清水にとっておいしいスペースを与えなかった。

それでも、14分にDFのクリアミスを見逃さなかった大前元紀が、正確にゴール右隅を射抜いて同点に追いついたのは、清水にとって非常に大きかった。
後半も思うように攻めきれず、逆に甲府が攻める時間帯は前半より増えて、先にビッグチャンスを作ったのも甲府だった。だが、その中で逆転ゴールを奪ったのは、ポゼッションとは別の得意な形。
後半12分、1ボランチの村松大輔がいつも通りの鋭い出足でマルキーニョス・パラナのボールを奪い、ラドンチッチに縦パスを預けて一気にカウンター。そのまま前線まで上がった村松がリターンを受け、粘って右のスペースに出したところに大前が走り込んで、1タッチシュートをゴール左に突き刺した。村松のボール奪取からのカウンターアタックは、その後の村松の速い上がりが非常に効果的で、最近は完全に自分たちの型となりつつある。
そして、何より光ったのが、大前の決定力の高さ。清水に復帰して点を取り始めたことで、彼本来の“シュートのうまさと冷静さ”が試合でも現われ始め、計算できる決定力となっている。また、大前が良くない日でもラドンチッチがいて、2人ともダメでもときおり高木俊幸が爆発的な力を発揮する。中には前節・横浜FM戦のようにゴールの枠に3回阻まれるような試合もあるが、その頻度はかなり少なくなるはずだ。

一方、甲府のほうは、「我々のオーガナイズの中ではピンチがなかった」(城福浩監督)と守備組織の破綻はなく、自分たちがボールを保持しながら、ワンツーなどでサイドを崩す場面も何度か作った。とくに右サイドの柏好文のスピードを生かすことはうまくできていた。シュート数はどちらも9本ずつだが、決定機の回数では明らかに甲府が上回った。「やっているサッカーは良いと思うので、ネガティブにならずに続けていきたい」(柏)とプレー内容には自信を持てている。
つまり甲府に足りなかったのは、最後の決定力だけ。とくにエースのパトリックが絶対的なチャンスを3回外したことは非常に痛かった。ただ、それは今に始まったことではないし、急に改善されるものでもない。
城福監督も「決定力を上げるというよりも、チャンスをもっともっと増やすということに努力していきたい」と現実的に状況をとらえている。今の守備を続けられれば、2点取られる試合は少なくなるだろう。あとは、どれだけチャンスを増やせるかという部分に、残留できるかどうかがかかってくる。

清水のほうは、これでアイスタでは3試合連続の逆転勝利。今回はあまりスッキリした勝ち方とは言えず、課題もまだあるが、以前に比べれば試合ごとの当たり外れはかなり小さくなっている。次節は2位・広島とのアウェイ対決(10/5)だが、そこで勝てるだけの力は整ってきた。そんな状況の中で結果を出せるかどうかが、リーグ戦の最終成績にも大きく影響することになりそうだ。

以上

2013.09.29 Reported by 前島芳雄
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