---------------------------------
今季も変わらず右サイドを躍動している。Ｇ大阪でのシーズンは8年目。過去に在籍した、Ｃ大阪、大分、Ｆ東京のいずれをも大きく上回り最長の在籍年数となった。
そんな中、今季はプロとしては自身初の副キャプテンにも就任。もともと妥協のない徹底した自己管理とプロフェッショナルイズムを持ち合わせて来た加地亮だからこそ、『肩書き』を手にしたからといって特に大きな変化がみられる訳ではないが、本人によれば「キャプテンのヤット（遠藤保仁）が代表で不在で、初めてキャプテンマークをつけた時は久しぶりにドキドキした」とのこと。ただし、それはプレーでの責任感やプレッシャーを感じたということでは決してなく「何色にしようか迷ったから（笑）」とニンマリ。チームの中では後輩にさえも「冗談が面白くない」などとイジられまくりの彼らしく、ウケ狙いの答えが返って来た。
だが、普段はそんな風に冗談を連発して周囲を和ませている加地も、試合では特に経験の少ない若手選手をサポートするべくアドバイスを送ることも多いとか。今季の公式戦でも何度か右サイドで縦の連携を築いたことのあるMF阿部浩之は証言する。
「いつもおチャラけている感じで、クラブハウスの中ではやたらとジャレてくる加地さんですが（笑）。試合ではかなりガチなことを言ってくれますからね。例えば、流れに応じて『こうしてみたらどうだ』とアドバイスをくれたり、プレーに行き詰まっていたら僕のスタイルを踏まえた上でプレーのヒントをくれたり。『そんなこと出来ひんわ』っていうような無理難題を押し付けてくるのではなく、僕がより気持ちよくプレーする方法を教えてくれる。しかもそのアドバイスがすごく優しい（笑）。また、実際にそれをやったら『なるほど』と思うことが多いのも驚きです（阿部浩之）」
もちろん、そうした周りの選手への気配りだけではなく、自身も『不動の右サイドバック』との異名に負けない存在感を示し続けている。
今季の開幕戦から3試合は、ケガもあってやや出遅れたが、第4節で今季初めて先発メンバーに名を連ねると、以降は全試合に先発出場。波のないパフォーマンスでチームに安定をもたらしている。加えて、かねてから、右サイドにおける相手攻撃陣とのマッチアップについて「誰が相手でも抜かれる気がしない」と話していた加地だが、その自信は33才になった今も、微塵も揺らいでいないようだ。
「たまに事故的な感じで股を抜かれたり、ガシャガシャとした混戦からスッとボールを奪われることはあるけど、１対１の局面でフェイント一発で抜かれるようなことは絶対にない。っていうか、抜かれる気がしない。」
そう言い切れるのは、先にも書いたように常に自身に妥協することなく自己管理を続け、かつ「サッカー選手は練習がすべて」との言葉通りに、日々の練習から一切、手を抜かずに準備を続けてきた自分を信じられるから。そのことが彼の原点であり、キャリアを積み上げた今も変わらず彼の『サッカー』を輝かせている理由でもある。
以上
■6月の試合情報
6月15日（土）J2 第19節 水戸 vs Ｇ大阪（18:00KICK OFF/Ｋｓスタ）
6月22日（土）J2 第20節 Ｇ大阪 vs 岡山（18:00KICK OFF/万博）
6月29日（土）J2 第21節 Ｇ大阪 vs 徳島（19:00KICK OFF/万博）
