●ペトロヴィッチ監督（浦和）：

「我々にとっても、仙台にとっても、思っていた通りに厳しいゲームになった。ただ、やはり中2日で、仙台は中3日、その差は大きかったなと思う。仙台は守備でそれほどコンパクトにしていなかったと思うけど、我々の方が疲れからなのか、判断のところ、精度のところで欠けていたかなと思う。選手たちは非常に強い気持ちを持って最後まで戦ってくれた。リードしたなかで最後に追いつかれたのは残念だが、こういった厳しい状況でも1ポイント取れたということは良しとしたい」

Q:2位で中断を終えたことはポジティブだと思うが、中断期間ではどのようなところを向上させたい？

「13節を終えて2位というのを良しとする見方もあるだろうが、もう2，3ポイント多くてよかったのかなと思う。たとえば大分戦や清水戦、ポイントを取らなければいけないところで取れていない試合もあった。ただ、今シーズンのチームが見せたサッカーは、昨シーズンに比べても非常に進歩していると思う。彼らが費やした13節の試合への力を考えれば、少しポイントが足りないような気もするが、コレクトな成績だと考えている。

我々はリーグとACLを並行して戦った。ACLのグループには強いチームが集まり、そのなかで勝ち上がれるほどのポイントは取ったが、結果は違うものになった。非常に厳しい戦い3ヶ月を経験してきたことを考えれば、今の成績はいいと考えていいと思う。過去、浦和はACLを優勝した時には10ポイントでグループステージを勝ち上がってい。残念ながら今シーズンに関しては、それでも勝ち上がれなかった。ACLとリーグを戦う中で、トレーニングの時間はあまり取れなかった。我々のサッカーではトレーニングが非常に大切なので、それができないと精度が出せないこともあると思う。中断期間には十分にトレーニングする時間があるので、今後安定してさらにいいサッカーを見せることができるための時間にしたい。23日からの中断明けの試合では、そうした部分が見せられるのではないかと思う」

Ｑ：浦和はリスクを冒したいいサッカーをしているが、ベガルタは対策を練って、その結果として決定機を作っていた。相手が対策を練ろうが、レッズはレッズのサッカーをしていくなかで、それでも勝ち切るために必要なものは？

「正直なところ、本来なら鳥栖、柏よりもやりやすい相手だと思う。今日はその2チームよりも多くスペースがあった。もし、今週の土曜日に仙台との対戦があったのなら、何も問題なく勝利できたのではないかと思う。たとえば鈴木啓太、彼は逆サイドは見えているけど、疲労でプレーが遅くなって止められてしまう。原口はターンしてドリブルで相手をかわせるところでひっかかってしまう。疲労が、いつもできていることをできなくしていたように思う。

私の友人や知り合いから、私がノーマルな監督ではないと言われていることはわかっている。大宮はここまでのシーズン、すばらしい結果を残していますが、私から見ると、ここ数年の中でサッカーに変化はない。大きな変化は、ノヴァコビッチ、ズラタンがよいプレーをしているということ。ここ数年で違うことは外国籍の選手が当たったということ。

私が指向するチームは、常にチーム全体で戦う戦い方を選ぶ。監督業を始めて19年になるが、私が指導するチームはコンセプトの元で戦うチームになる。１人、2人、3人の選手で勝点を拾うような戦いはしない。それでは、大きな成功は収められないかもしれないが、やり方を変えるには私は年を取り過ぎている。どのチームを率いても、私が率いるチームに対しては、いかに我々のやり方を防ごうかとみな対策を取ってくる。私が監督をしているなかで、それは宿命的に感じている。

私は55歳です。やり方を変えるには遅すぎる。数年監督としてやり切れればそれでいいと思っている。私はこういったスタイルの監督がサッカー界にいるのは悪くないのではないかと思っている。サッカーの見方が広がってくれるのであれば、日本のサッカーにとってもいいことでしょう。

私はどちらかと言えば極端なタイプの人間かもしれないが、それは見る側にとっては悪くないと思う。私のいい部分、悪い部分を見て、何かを感じてくれればそれでいい」

以上