開幕から低迷するチーム同士の対戦は、序盤から持ち味を発揮し、試合が進んだ。主導権は磐田にあったが、大分はカウンターから活路を見出す。長短のパスを織り交ぜゴールに迫る磐田に対して、大分は丹野研太を中心とした粘り強い守備でフィニッシュを許さない。そうした攻防が続くなか、勝点を分け合い中断期間を迎えることになった。
ホームの大分にとって、最下位を脱出するチャンスであった。磐田のパス回しに「押し込まれるのは分かっていた」(田坂和昭監督)。それでも大分はしっかり3ラインを築く全員守備と、奪ったボールを素早く供給し攻め上がる全員攻撃で、自分たちの形を貫いた。ただ、連戦による疲労、気温26度とドーム特有の蒸し暑さにより、生命線である走力が失われていた。
前半をスコアレスで折り返すと、後半はギアがひとつ上がった磐田の攻撃にゴール前で釘付けになる。押し込まれた時間帯、選手たちが積極的に声をかけ、修正を促す場面が目立った。宮沢正史は言う。「ウチは技術で劣るので走ってカバーするしかない」。全員がハードワークに徹し、わずかなチャンスに全力を注ぐ。そうしたなか62分に先制点が生まれた。ペナルティエリア内で相手DFのクリアボールを拾った森島康仁から高松大樹にパスがつながり、角度のない場所からココしかない1点をエースは狙い、ゴールネットを揺らした。
1点のアドバンテージを手にし、優位に試合を進めたかったが、ここから逃切れないところに、今のチームが抱えるジレンマがある。
「終盤のラスト15分に失点するケースが目立つ。ベンチメンバーを含め個の能力、チームとしてあと一歩何かが足りないということ。中断期間でそれを埋めていきたい」とは田坂監督。
追加点を狙う姿勢、スキを与えない守備、また90分のゲームコントロールなど、大分が次のステージに進むための課題は少なくない。「自分たちのサッカーを追求するしかない」(田坂監督)と、チームのスタイルは揺るがないだけに、修正点は細かいところに尽きるが、ひとつ一つ課題をクリアし、巻き返しの下準備をするしかない。
一方の磐田は、この試合後から監督が交代し新たなスタート切るうえで、明確な課題が見つかったことは収穫だ。
ビハインドを負った磐田はすぐさま反撃に転じる。疲れが見えた山崎亮平、前田遼一に代え、ペク ソンドン、金園英学を送り出し、前線からのプレスが機能し、高い位置でボールを奪い大分ゴールに迫る。それでも崩せないと見るや、機動力のある松浦拓弥を投入。その松浦がいきなりドリブル突破でチャンスを作り、同点に結び付けた。
「比較的ボールを持ててスタートし、入り方は理想的だった。ただ、フィニッシュまでいけないのが課題」と長澤徹監督が振り返ったように、決定機を増やすことに尽きる。新指揮官が下位に沈むチームに付き物のネガティブな姿勢を打ち消し、どのようなスタイルを目指すのか。注目したい。
以上
2013.05.26 Reported by 柚野真也
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