●曹貴裁監督（湘南）：

「お疲れさまでした。私自身も、Ｊ１でベンチに座って指揮を執るのは初めてでした。ダービーということで、本当にたくさんのサポーターの方が、試合開始前から最後、試合が終わった後まで大きな声援をくれたことに、心から感謝したいと思います。
試合の方は、勝つことができなかったので、全部、敗者の弁になりますが、我々の選手たちは100％ないし120％の力で相手に対して向ってくれたと思います。２−１にしてからのゲーム運びとかいろいろありますが、90分間、彼らが今日体感した自分たちの良いところ、悪いところが次につながるような試合だったと思います。
Ｆ・マリノスさんは、本当に個人の力が高くて、ウチが１対１にしてしまうと百戦錬磨の経験で全部やられてしまうという話をしていました。なので１人には２人、２人には３人と、攻撃も守備も、そういう形で市民クラブの代表としてやろうと送り出しました。
３年前、ここで29本シュートを打たれて何もさせてもらえないときにコーチとしていましたけれど、この３年間で少しはクラブも選手たちも、成長してくれたと思っています。
ただ気持ち的には非常に悔しい気持ちがいっぱいなので、自分自身に矢印を向けながら、今日の試合に出た課題、そして良かったところをさらに伸ばして、次のホームの鳥栖戦には絶対に勝てるように選手と一緒に頑張っていきたいと思います」

Q：梶川選手から武富選手への交代の狙いは？
「梶川は悪くて代えたわけではありません。武富の得点力とか裏に抜ける力を利用した方がゴールを奪える可能性が高いというポジティブな理由です。梶川が悪かったわけではありません」

Q：今日のゲームで悪かった点は？
「僕は先ほど課題と言いましたが、課題イコール悪いところではありません。課題は、当然チームにとって存在すべきものです。課題はあるけれど悪いところはなかったと思います」

Q：前半は相手にチャンスらしいチャンスは作らせなかったが、後半、急に試合が変わってしまった。その原因は？
「もちろんＪ１の経験がない選手たちなので、２−１にした後の時間帯の使い方で、彼らも３点目を取りに行こうとして実際に３点目が入ったと喜んだらオフサイドでした。たぶん、前半からそうなった可能性も高いですし、後半にいきなりそうなったのは、彼らが無意識にリードを守らなければいけないという気持ちが、安全、安全なプレーにつながって、失う場所が悪くなってきた。そこで相手にカウンターを受けてしまったという場面が確かに多かった。ただ、皆さんも誰もあの展開でウチが２−１でリードしているとは予想されていなかったと思います。選手も、そこのところでどうしようかは、私の伝え方やマネジメントが不足していたと思っています」

Q：２点目を取る前にも、相手に押されていたという展開については、どうでしたか？
「サッカーにはゲームの流れがあると思います。もしＦ・マリノスさんが前半１本もシュートを打てなかったとしたら、後半はパワーをかけて入ってくる。ウチが同じようなリズムでやってたら、そこをこじ開けてシュートまで持ってくる力はもともとあるので、ハーフタイムで、もう１回来るよという話は当然していたのですが、どうしても前半の自分たちの成功体験が、少し、そのままでいいよという感じにつながってしまったのかもしれません。しかし僕は、ああいう時間帯は試合の中であると思っているので、あれをパーフェクトにゼロで抑えるだけの力は僕たちにはないと思っています。逆に言えば、よくシュートブロックして防いでいました。そこで１点取って、さあこれからという流れが、結果的には時間帯の使い方がまずかったのかもしれません」

以上