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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第24節 山形 vs 福岡】レポート:「ホームで強い山形」健在! 3得点で3試合ぶりの勝利。福岡は2試合連続の3失点で今季2度目の連敗。(12.07.16)

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両チームともに、選手の入れ替えがあった。山形は西河翔吾が出場停止でバックラインには2試合ぶりに石井秀典が入った。中盤には出場停止明けの秋葉勝と、前節の出場を回避した宮阪政樹が戻り、山崎雅人、中島裕希を2トップとする4-4-2。前回の福岡戦と同じフォーメーションで臨んだ。対する福岡は、古巣対戦がならなかった小原章吾の出場停止で畑本時央が7試合ぶりに先発し、出場停止明けの古賀正紘とセンターバックのコンビを組み、堤が右サイドバックに戻った。

立ち上がりは福岡がペースを握る。高橋泰のシュートから立て続けにコーナーキックを奪い、直後のスローインでは鈴木惇がフリーのままミドルシュート。8分には2トップが中央でさばき、キム ミンジェのアーリークロスに逆サイドから城後寿が飛び込むと、10分には城後の落としを鈴木がワンタッチで逆サイドへ振り、成岡翔がダイレクトでシュートを放った。山形も6分に永田亮太がうまく体を入れてシュートまで持ち込み、15分に秋葉勝の縦パスに山崎雅人が飛び出してヘディングシュート、20分には中島裕希がドリブルで仕掛けて右角度からシュートと何度かチャンスをつくったが、「4-4-2の菱形だったので、どうしてもバズ(宮阪)の両脇が結構空いてしまいました」(山形・前田和哉)とミスマッチする中盤で相手をつかまえきれず、サイドチェンジも加えながらボールをテンポよく回す福岡が優勢に試合を進めた。

しかし、福岡にアクシデントが発生。高橋が右足の負傷で28分に西田剛との交代で退いた。それまでのバランスがいったんリセットされた福岡に対し、それまでボールを追い越す動きが少なかった山形も隙を突き、徐々に敵陣でのプレーを増やす。秋葉が右サイドから可能性を感じさせるクロスを2本入れ、その2本目を逆サイドで拾った石川竜也が相手に当てて獲得したコーナーキックから均衡が破られる。キッカーは宮阪政樹。古賀がヘディングで競ったボールは直上に上がったが、これをGK神山竜一がハイキャッチでファンブル。石井秀典が落ちてきたボールをゴールマウスに蹴り込んだ。「膠着状態が続くのは予想してましたけれども、そこで慌てることなく隙をうかがう作業というのを前半、選手が積極的に仕掛けていけたんじゃないかなと思います」という山形・奥野僚右監督。「ひと言で言えば、忍耐力の差だと思います」と話す福岡・前田浩二監督。両チームのそうした状況が、40分の先制点という形にまずは結びついた。

1点を追う福岡は後半、両サイドバックを高く上げて反撃を試みるが、それはまさに諸刃の剣。攻撃を成就できなければ相手にスペースを与えることになる。50分、岡田隆のくさびを前田和哉がカットして中島の足元に付けると、自陣中央から左スペースヘ向けて50メートル以上ドリブルで持ち込むと、追い越した永田がそのまま突破。「センターバックが見えたので、マイナスのほうがいい」と体勢を崩しながら右足アウトでグラウンダーのクロスを入れると、ニアで潰れた山崎の背後から秋葉が左足を振り抜いた。「しっかり枠に入れることだけ考えました」と抑えた軌道はGK神山の手をかすめてゴールマウスを揺らした。

前節・富山戦では追加点が奪えないうちに同点に追いつかれていただけに、自らを勇気づける追加点を得た山形は、このあとも攻め続ける。58分、早いリスタートから右タッチライン際で受けた中島が縦にドリブルを開始。鈴木、畑本の2選手に囲まれていたが、フェイントを交えてゴールラインに沿ってペナルティーエリアに入り込む。そこへ永田、山崎がゴール前に走り込み、福岡の選手がボックス内に収まったところで、中島選手の選択は2列目で待機していたフリーの船山祐二。コントロールからシュートまで、落ち着いたプレーでゴール左上を射抜いた。直後にも石川がパサーとなり、裏へのパスで永田をペナルティーエリアに進入させり、アーリークロスを山崎にピンポイントで合わせた。4点目は奪えず、また、途中出場の木原正和のミドルシュートがクリアミスもありそのままゴールに吸い込まれたが、失点はこの1点のみ。坂田のシュートをGK清水健太がファインセーブするなど、集中力も運動量も切らさない山形が3-1で3試合ぶりの勝利を挙げた。

「ほとんどのチームは9人でしっかり必死で守るというところは明確ですね。どの対戦相手でも。前から取りに来るのでも必死に来るし、後ろで守るのでも必死で来る。その必死さを上回るものを表現できないと」

試合前の奥野監督の言葉だ。相手の研究が進むにつれ、また順位の階層化が進むことで、ここ数試合は難しい試合を迫られてきた。福岡はより攻撃を重視してくるため、そうした試合内容が改善されたと結論づけるのは早計だろう。ただ、開けようとして開かなかった攻撃の記憶の引き出しを、ようやく開けた感覚はある。「相手を少しでも上回る気持ちであったり、球際の厳しさ、また正確なプレーというものが、徐々に相手のバランスを崩す結果、そして最後のあきらめない姿勢というものが、クロスボールにつながり、また、そこへ信じて詰めていた選手がゴールを決める。そういう作業が、今日は本当に、後半に入っても続けられたんじゃないか」(奥野監督)。次節、混戦を抜け出すための大事な試合・湘南戦に向かう。

以上

2012.07.16 Reported by 佐藤円
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