●ランコポポヴィッチ監督(F東京):
「コンニチワ。本当に、満足しています。結果だけではなく、その結果にどうやってたどりついたのかということ。最初から私たちが話してきたことが結果としてつながったということに満足しています。
相手は、高いディシプリンと責任感を持っているチームでした。そして、最初の15分間はペースを握れず、相手のほうがよりアグレッシブにプレーをしてきた。その後は、私たちも自分たちのサッカーをやり、そして多くの決定機を作ったんですが、それを生かしきることはできませんでした。重要なのは2失点して0−2でリードされてからも、私たちは自分たちのやるべきことを変えずにボールをやみくもに蹴るわけでもなく、しっかりとつないで連動するサッカーを最後まで信じてやり続けました。それが、このような結末を運んできた。結果につながった大きな要因だと思っています。
今日は、本当に、誤解を恐れずに言いたいと思います。日本サッカー界にも何かを示せたと思っています。私たちがどういう風な相手にどういう風なサッカーをして勝利を得たのか? ブロックを作られても、それを壊すマシーンを私たちは持っていた。引かれた相手に対しても、それを攻略して勝利に結びつけることができた。それは、日本サッカー界にも何かを示せた、証明できた試合だったと思います。そして、シーズン当初から魅力的なサッカーをして勝利を得るということを言い続けてきました。ここまでACL、リーグ戦と足を運んでいただいた皆さんに、今日は魅力的なサッカーをして結果を得ることができて、一番いい最高のプレゼントができたのではないでしょうか。今日も、たくさんのサポーターに、スタジアムまで足を運んでいただいたので、いいお返しをできたと思います。今日は、フットボールが勝利したと申し上げたいと思います。皆さんも、すべての感情を出し尽くしたぐらいの魅力が詰まったサッカーを両チームが演じた。F東京も、鳥栖もお互いにいいところを出した。そういうゲームであったと思います」
Q:チャンスは作ったが、鳥栖の守備の機能性もすばらしかった。ああいう守備を崩すために必要なことは?
「鳥栖も、F東京もいいところを出したから魅力的なゲームになった。まさに、彼らの守備はクオリティが高く、ディシプリンもしっかりと取れている。ただ、その相手に3点を取ったということ。そこが、私たちがサッカーをやったということです。そして、大事なのは、やってきたこと、やるべきことを最後まで貫けたことが大きい。強固なブロックを作られながらも、そこを打開しようとしてアイディアを出し続けた。クリエイティビティであり続けた。それが打開できた大きな要因だと思います。ただ、ザッケローニさん(日本代表監督)にお願いしたいのは、メンバー発表は試合の前ではなく、後にしてほしいですね。うちの選手の何人かはいつも出せるクオリティを下回っている選手もいた。最初の失点も2人の代表選手がゴッツンコして失点してしまった。モチベーションが高すぎて、気持ちが入りすぎて気持ちが空回りしていたようですね」
Q:得点を奪われてもやり続ける中で、交代カードに攻め続けるというメッセージを託したのでしょうか?
「もちろんそうです。逆転するために切ったカードですし、最後まで勝ちにいく。ハーフタイムにも言いましたが、前半と同じようなチャンスを作れれば、必ずゴールを決められると言いました。3点決められると。だから前半と同じように自分たちのサッカーを変えずに、やり続けることを言いました。まさにそういった展開になったと思います。
後半に関しては、うちのペナルティエリアに2回しか侵入していません。その1つを決められてしまいました。90分間、コントロールし続ける。そのボールを持つ時間が長いんですが、その中でアイディアを持ち続ける。それは簡単なことではない。(UEFAチャンピオンズリーグ決勝の)バイエルンとチェルシーとの対戦は、バイエルンのほうが良かったと思います。バイエルンのほうが良かったが、難しいところがあった。アイディアを出し続けるという意味では。でも、ああいう風に試合を支配していたチームが勝利を逃すことはサッカーにとっては恥ずかしいことだと思います。そういう意味でも、試合を支配し続け、アイディアを出し続けたうちの選手たちによくやったと言いたい。蔚山戦は試合を支配しながら決定機を決めきることができず、結果がついてこなかった。自分にとってサッカーをプレーすることだけが刺激。やるべきことをやる、そこだけです。皆さんに言っておきたいのですが、私は最後までバイエルンの勝利を信じて最後までバイエルンを応援していました。やはり良いほうがいつも勝つとは限らないのがサッカーです。だけど、今日のゲームは良いほうが勝ったと思っています」
Q:チャン ヒョンスをアウトサイドに使い、徳永をセンターで使ったのはなぜですか?
「まず、ヒョンスは私たちのシーズン前のキャンプをやっていません。そして、アジアのほとんどの国のチームで同じ問題を抱えている。アジアの問題と言ってもいいのではないでしょうか? ディフェンスのときに、ズルズルと下がってしまう。でも、我々の守り方は、ラインを高く保ち続けてアグレッシブにいく。タイトにいく。だけど彼は、そういった癖がまだ残っている。一番空けたくない穴、使われたくないスペースを引いて埋めることで逆に使われてしまう。彼はまだ若くクオリティの高い選手、ボールを持てば落ち着いていますし、精度の高いパスも出せる。彼がもう少し安定感が出て余裕が出てくれば、右サイドバックでもすばらしいプレーができると思います。スピードもあるし、ゲームを読む力もある。ただ、まだ彼はそこまでの自信がない。森重、徳永に関しては、ここ3試合で蔚山戦の1ゴールしか取られていない。そういう意味でも彼らのコンビはうまくいっていたので、そこをいじりたくはなかった。最後に、私たちが見せたオプションもあります。高橋ヒデ(高橋秀人)をセンターバックに置いて、トク(徳永悠平)をサイドに出すということもできます」
以上
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