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【J1:第4節 清水 vs 札幌】プレビュー:序盤での主導権の奪い合いと終盤の試合運びが注目される戦い。プライドを結果に結びつけられるのはどちらか。(12.03.31)

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開幕から3試合、両チームとも思うように結果は出ていないが、試合内容に関しては手応えもあり、自信を失ってはいない。だからこそ、お互いに何としても結果が欲しいのが、この試合。もちろん、清水としてはホームでの連勝が絶対条件になるし、札幌もJ1復帰後の初勝利が喉から手が出るほど欲しいはず。必然的に両者の熱い気持ちがぶつかり合い、本当に白熱した好勝負が繰り広げられるはずだ。

ホーム2試合目となる清水は、前節の柏戦で前半は素晴らしいサッカーを見せたが、後半に失速して残り9分からセットプレーで2点を奪われ、逆転負け。ホームで勝った広島戦(第2節)でも、自分たちのリズムで戦えない時間帯があり、良いときと悪いときの落差が大きいことや、自分たちのペースを維持できないことが、現時点で最大の課題となっている。

前線からアグレッシブにプレスをかけていくサッカーをキックオフ直後から続けているため、体力的にそれが90分持たないのはしかたないが、「疲れだけが原因じゃない」(村松大輔)という意識は多くの選手が共有できている。ゴトビ監督は、「後半はパスをつながず、後ろから大きく蹴り始めてしまった」ことを最大の原因と考えており、守備陣を統率する岩下敬輔も、「クリアが多くなった分、(DFラインを)押し上げようとしてもすぐに相手ボールになってしまうので上げきれなくなってしまった。それでまた押し込まれて、ラインも少しずつ下がってしまったと思う。ちゃんとポゼッションできれば、ラインも上げられるし、自分たちが休む時間を作れるので、後半もそうやって時間を使えるようにしたい」と語る。

自分たちがボールを支配し、ボールを速く動かせば、呼吸を整える時間を作れるし、逆に相手を疲れさせることができる。そこでボールを失った瞬間にフルパワーでプレスをかけ、すぐに奪い返すことができれば、引いて守る場合よりも、守備の時間は圧倒的に少なくなる。当然“プレス疲れ”も最小限に抑えられる。それができれば、柏戦の前半のような戦いを90分間続けることも十分に可能だというのが、ゴトビ監督の考え方だ。もちろん、なかなかそんな理想通りにいかないのは誰もがわかっているが、少しずつ理想に近づけていくことはできるはずだ。

そのためには、ボールを奪った後、すべてを速攻に結びつけようとすると、逆に自分たちの首を絞めることになる。相手の体勢が整っていない場合には一気に攻めきれば良いが、そうでない場合には、一度中盤でボールを落ち着かせ、キープする時間を長くすることも必要だ。そうした冷静なゲームコントロールができるかどうかも、この試合の見どころであり、サポーターとしてもそうした視点で選手たちの緩急のつけ方を見守ってほしい。

清水にとって、もうひとつの修正ポイントはセットプレーからの失点を減らすことだ。ここまでの4失点はすべてセットプレーによるもの(FKから2点、CKから1点、PKで1点)で、逆に流れからの失点はゼロ。GK林彰洋とセンターバックの岩下、カルフィン ヨン ア ピンの3人がゴール前で非常に頼もしい存在となっているため、セットプレーの守備が安定すれば、今季初の無失点試合も近づいてくるはずだ。

フィールドプレーヤー10人の中で長身選手が少ないという不利はあるが、今週の練習ではセットプレー対策の時間を増やしており、選手たちの意識もかなり高くなっている。高原直泰やジミー フランサが先発で出られるようになってくれば、高さの不利もある程度克服できるだろう。また、思惑通り自分たちがボールを支配する時間を多くできれば、当然危険な位置でのセットプレーの回数を減らすことができる。その意味でも、自分たちのリズムで戦う時間を増やすことが重要だ。

対する札幌は、開幕戦はホームで勝点1を得たものの(磐田と0-0)、その後の2試合はどちらも逆転負けで、ヤマザキナビスコカップ予選リーグ(3/20)でも敗れたため、J1に復帰してまだ勝利がない。ただ、前節の浦和戦でも「序盤はいい形でプレスを仕掛けることができていた」(内村圭宏)というように自分たちの戦い方に対する手応えはあり、先制点も奪えている。したがって、リードした後の戦い方が、今の大きな課題となっている。

その点について石崎信弘監督は、「J1相手だと、無失点で終えるのはなかなか難しい。イージーなミスをなくして、追加点を取りにいくのがポイントになると思う」と語っている。とくにアウェイでは、勝点3を得るには先制点を奪うことが絶対条件だが、リードしても1点を守りに入るのではなく、2点目を取りにいく戦いができるかどうかが札幌にとっての大きなテーマとなる。

また、お互いに高い位置からのプレスを持ち味とするチームだけに、そこでどちらが主導権を握れるかという部分も大きな見どころだ。札幌には、高木純平と山本真希という清水の下部組織出身がいて、とくに山本真はすでに2得点と絶好調。アウスタに慣れ親しんだ2人は、古巣に対して意地を見せたいという気持ちも非常に強いはずで、ボールに対する出足という面でもチームを牽引する存在となるだろう。そんな中での球際の激しい競り合いが、見応えたっぷりになることは間違いない。

とはいえ、やはり主導権を握らなければならないのは、ホームの清水。そのうえで決めるべきところを決めきれるかが勝負を分けることになるが、「前の選手でゴールを決めてないのは自分だけだから、早く点を取りたくてしかたない」(大前元紀)とゴールに飢えた点取り屋もいる。個人としてもチームとしてもプライドがぶつかり合う戦いで、誰が、どちらが、気持ちを結果に結びつけられるかに注目したい。

以上

2012.03.30 Reported by 前島芳雄
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