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【J2:第2節 横浜FC vs 愛媛】レポート:拙攻の果てのスコアレスドロー。横浜FC、愛媛ともに課題と希望を残した。(12.03.12)

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シーズン序盤となる第2節は、チーム状況に応じて、いろんなテーマが内在する試合となる。勝敗という意味では、昇格争いに必須とも言えるスタートダッシュを決められるか。そして、チームの完成度という意味では、足りないところの修正ができているかどうかの確認も必要となる。開幕戦を逆転負けで落とした横浜FCは、前節未熟だった点がどれだけ解消されているか、そしてテーマとして失点0を達成し、勝点3を狙っていた。前節、町田相手に快勝した愛媛は、その武器となる堅守とカウンター攻撃を維持しながら、連勝を狙っていた。そして、試合展開は愛媛の狙い通りに進んでいく。

前節守備が間延びした反省から、横浜FCもコンパクトな守備を指向したことから、立ち上がりからスモールフィールドの中でサッカーは展開する。愛媛は、大久保哲哉、難波宏明がボールを落とすところを狙い、横浜FCの攻撃の組み立てを寸断。さらに、横浜FCの中盤のキープレーヤーであるホベルトへのアプローチを強めて、中盤でのスピードアップを封じた。横浜FCは、攻撃での組み立てで「窒息」状態に陥る。そして、愛媛お得意のカウンターを何度も繰り出す。4分から10分までで4本、22分から39分まで4本と、前半計8本のシュートは、いずれも横浜FCの組み立てのミスを突いてカウンター攻撃を仕掛けたもの。フリーでのシュートを外す場面も目立ったが、愛媛としては、まさに狙い通りのサッカーを展開することができた。逆に、横浜FCの目線からすれば、愛媛の狙いにわざわざ飛び込んでいく状況が続いていた言える。横浜FCも26分に大きな展開から、右サイドで余っていた高地系治がフリーでシュートを放つ場面を作るが、ミートせず枠外に。前半は、サッカーの内容は愛媛が完勝、しかしスコアは0-0で終える。

後半、横浜FCは八角剛史をアンカーに配置し、中盤前目にホベルトと高地を並べ、難波を左に置く、4-3-3のフォーメーションに変更する。ポストプレーの後のボールの支配率を上げるとともに、裏を取る回数を増やして愛媛の守備ブロックを上下させる狙いがあったが、これが徐々に効果を上げていく。後半の立ち上がりの50分、51分と、愛媛のシュートが続くが、54分には内田智也のクロスがクロスバーを直撃、そのこぼれ球をホベルトが反応しミドルシュートを放つ。67分に野崎陽介を投入するとサイド攻撃が活性化、さらに73分に田原豊を投入して攻勢を強める。ここからは、攻める横浜FCとカウンターを狙う愛媛が五分五分の攻防を繰り返し、アップダウンの激しい展開になる。愛媛は有田光希、大山俊輔がフリーで躍動する一方、横浜FCは、野崎、田原が愛媛ディフェンスを力でこじ開けようとする。最後の20分はオープンな展開が続くが、お互いにゴールを割ることができず。試合は、愛媛が16本のシュートを放つも、スコアレスドローで終わった。

横浜FCは、失点0を達成しつつも、終わってみればシュート3本と、ホーム開幕戦を楽しみにしてきたサポーターにとっては残念なスタッツとなった。この主な原因は、愛媛の強みを理解しつつも、その強みを出させるようなサッカーをしてしまったことにある。後半のフォーメーションの修正で、ようやく内容を五分五分に持ち込めたが、前半からより柔軟な戦い方を見せるしたたかさが必要になってくる。ただし、開幕戦の後半に露呈したチーム戦術の不統一は、この試合は見られなかった。うまくいかない時間でも、ピッチ上で工夫して打開する対応力については、大幅な改善がされたと言って良い。選手も「ミスをしてもやり続けることはできていた」(内田)、「みんな前向きにプレーしているしミスしてもカバーすることもできているので、希望もある」(高地)と、この試合の後半に、ようやくチームが上昇できる希望を掴んだのも確か。終盤には田原の特長を生かしたプレーが何度も出たように、試合の中でもコンビネーションが良くなってきている。この試合の前半に得た課題との後半に得た希望を、次節の千葉戦に繋げていきたいところだ。

一方の愛媛は、「今日の試合と選手たちのパフォーマンスには完全に満足している」と指揮官が述べた通り、バルバリッチ監督が時間を掛けて築き上げた堅守速攻のスタイルの高い完成度を見せつけた形となった。ただし、大山が述べたように「決められるかどうかが上に行けるかどうかの違い」なのも確か。フリーの決定機を何度も迎えながら、決めきれなかったという点で、大きな課題を残した。

横浜FC、愛媛共に、手応えを得つつ、ある種のもやもや感を残した試合であったのは確かだろう。シーズンの序盤では、こういう試合で得た課題を確実に解決することが大事となる。今後の伸び代に繋がることを期待したい。

以上

2012.03.12 Reported by 松尾真一郎
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