●反町康治監督(松本):
「期待に残念ながら応えられることが出来なくて、非常に申し訳なく思っております。同時にチームとしてはまだまだ足りない部分があるかなと感じた試合でもあります。その足りない部分を何とか埋めるのが、私の仕事でもあるので、これからまた一生懸命やっていきたいと感じています」
Q:足りない部分というのは。
「最後まで責任持ってプレーをするとか、要するにサッカーというのは、自分の好きなことをやるって事だったら草サッカーやっていればいいわけであって、しっかりとやらなくてはいけないところがある。そういうところをごまかしてやろうとするとか、やろうとしないとか。ハードワーク出来ていないところがある。これはメンタル的な問題も含まれていると感じていますね。これは選手たちにも言いましたけども、終わった後に温かくコールしてくれるから、極端に言えば『負けてもいいや』ではなくて、やはりプロである以上は勝たなければいけない。そういうものがちょっと足りないかなと感じています。これだけ応援してくれるから、なんか自分がスターみたいになってしまっているところもある。そういうメンタリティーを少しずつ変えていかなくてはいけない。これは大変なことなんですよ。『これくらいやったら勝てるだろう』と思っているとしたら、それは下のリーグではそうかもしれないけど、 Jリーグではほとんどないですから。そういうメンタリティーが、一番差があるのかもしれない」
Q:今の松本と就任当時の新潟は違いますか?山形には宮沢選手がいて感慨深かったのでは?
「もう十何年も前の話なんですが、お客さんも1千人、2千人の時代でしたから、それに比べれば格段にお客さんも応援してくれるし、メディアもたくさんいるわけですから。そういう意味での周りの環境は、こちらが上かなと思っています。
宮沢は長らく山形で骨を埋めるかのように一生懸命やっていて、一緒に仕事をやった人間としては嬉しく思っています。彼は人間的にも優れているので、これからもサッカー界に貢献してもらいたいと思いますし、長くサッカーの一線でやってもらいたいという気持ちでおります」
Q:就任当初からメンタルの変わらない選手を、これからどのように変えていきますか?
「変わらない選手はメンバーから外していくしかないですね。それがプロですから。僕もプロでやっている以上、選手にもそういう話をしている。ここの選手はゲームに出ることが凄い目標になってしまっている選手が多いんですよ。出れば王様、そうじゃないんですよ。勝って初めて王様になれる。もう少しそういうところを変えていかなくてはいけない。だから最後のところで、あと一歩前に入れないですよね。それはどこかで躊躇しているのか、心の中で『そのくらいでいいや』と思っているのか。もちろん僕も直していきたいと思っています。でもそれは、自分で超えていかななくてはいけない。でもちょっとずつでも目が覚めるように言っていかないといけないなとは思っています」
Q:では、これからは我慢よりは新たな試みも?
「『我慢してもらったからラッキー』と思われても困る。我慢してもらったらなおさらやらなければいけないでしょうね。ここで僕の言葉がストレートに紙面に出ると、『僕は出られるんだな、ラッキー』と思ってもらっても困る」
Q:前半はほぼワンチャンスでしたが、後半は自分たちの時間帯もあった。ここで決められなかったことが敗因でしょうか?
「自分たちの時間帯で3点取れれば勝てますからね。自分たちの時間帯の時に逆に隙が生まれるわけで。野澤もあの瞬間では隙があったのかもしれない。自分たちの時間帯でも脅威となるプレーをしているかと言えば、最後のところでトーンダウンしているようでは話になりませんからね。逆に向こうの方がミドルシュートで終わったりする場面などが、多かったですから。それはある程度分析済みなので、予想はしていましたけど。所謂やりきっていない状態で終わっていますよね」
Q:やはりそれもメンタリティーの問題?
「メンタリティーの問題で済んでしまったらいいんですけども。それだけじゃないと思いますよ。メンタルの問題だったら、練習よりも断食した方がいいかも知れない(笑)」
Q:後半は動きも良かった。ハーフタイムにどのような指示を。
「今週の金曜日にフリーマンを入れたトレーニングをしているんですけども、それを思い出せと。僕に言わせると余計なプレーが多いですね。サッカーはごくごくシンプルなスポーツ。結局その余計なプレーで自分たちのリズムを壊しているんですよ」
Q:セカンドボールがほとんど拾えなかった。
「キーパーからのキックは、西河と前田が99.9%勝っていましたからね。次のボールは大事になってくるかもしれないですね。思ったよりも狙えていない部分はありましたね」
Q:得点した弦巻選手と、後半から入った玉林選手についてお聞かせください。
「得点したというのも事故みたいなものですからね。崩して取れるような練習はしていますけども、出来れば自分たちから能動的に崩して取るというのを見せたいですし、見せていかなければいけない。
後半、久木田のところは、考えすぎでしまうんですよね。後手を踏んでいたような形だったので、(考えすぎない)玉林の方が良いかなと。その方が思い切りやれるということですね。全体的に球際のところからエネルギッシュなパワーが必要だった。サッカーというのは不思議なもので、誰か一人凄く弱気になっていると、皆そっちに引っ張られてしまうんですよ。今日でいうと、紳吾のところですよね。だからそこを替えていくことでチームのエネルギーというのは出て来たんじゃないかと思いますね」
Q:次の試合に、どう向けていくのか?
「あまり相手ありきではなくて、自分たちに目を向けてやっていかなくてはいけない。だから相手のインフォメーションに即したトレーニングもしていきますけども、それはほんの一部分で。まずは、山雅のやろうとしていることを目指してやっていきたいと思いますね。シンプルにボールを動かすとか。そのためには選手の判断が早くならなければいけない。結局、判断が遅いから、余計な事をしてしまうんですよね。これはトレーニングの中で、或いは本番の中で慣れていくしかない。まだ正直、圧倒されている部分があってもしょうがないと思うんですよ。圧倒する力があったら逆におかしいわけですから。それを見込んでトレーニングをしていますし、話をしているつもりです。選手もそろそろお尻に火が着いてきたと思うので。そういうメンタリティーはこれから築いていかなくてはいけない」
以上
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