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9日目に入った宮崎合宿で初めてと言えるほど、本格的な戦術練習が行われた。ジョルジーニョ新監督の意向により、テレビカメラでの撮影など、情報管理は徹底されているため、詳しくお知らせすることはできないのだが、今日の練習で行われた中盤をダイヤモンド型に配置した布陣が、今季の鹿島のスタンダードになると予想される。伝統としてきたボックス型の中盤とはしばしの別れとなりそうだ。

その戦術練習は11人がピッチに入り、ディフェンスをつけない形でパスまわしを確認することから始まった。ボールを動かしながら、各ポジションがどういうことに気をつけなければいけないのか、監督の指示が飛ぶ。ときにはボールを止め、長い時間をかけて選手たちと語り合いながら理解を深めていく。もともと監督はサイドバックの出身だったこともあり、攻撃時のセンターバックとサイドバックのポジショニングには細かく注文をつけているのが印象的だった。事実、昨季の鹿島はカウンターからの失点が多かっただけに、攻撃時のポジショニングをもう一度見直すことは、選手にとってもチームにとってもプラスの影響を与えてくれるだろう。

また、このオフに数人の主力選手が移籍した影響で、2列目ができる選手の層が薄くなり、新たな補強かフォーメーションの見直しが必要だったなか、目玉となる選手を獲得できなかったこともあり後者の選択がなされたことは、消極的な選択肢と捉えられた。しかし、この日の戦術練習を見る限り、それは大きな間違いだったことに気付かされる。相変わらず中盤のタレントは豊富であり、配置をダイヤモンド型に変えたことで、新たな魅力が引き出される選手も多そうだ。

その後、控え組も入った11対10（攻撃側のGKは無し）、紅白戦と難易度が上がると、さすがにミスが多くなり思ったようなパスまわしで相手を崩す場面はなかったが「いきなり完璧にやるのは難しい」（青木剛）という声はもっとも。17日までの宮崎合宿のなかで、熟成を図っていくことになるだろう。

以上

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2012.02.14 Reported by 田中滋