★2012シーズン始動！ニューカマー・レコメンド
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味のあるいい顔になった。Ｆ東京の在籍は4年を数えた。その間、悩んだり、もがいたりを繰り返した。その姿にこそ、価値があったと思う。

鈴木達也は着る服も、髪型も凝る。だが、外見に反してサッカーに対する取り組み方や、考え方は古風に映る。そして、一度決めたルールは破らない頑固者だ。

「見たでしょ」

昇格の決まった鳥取戦後、ミックスゾーンで彼を呼び止めると、まず笑ってそう言った。昨季開幕当初は先発出場を続けたが、けがでピッチを離れると、その後はベンチ入りすらできない時間が続いてきた。しかし、この試合終盤、途中出場でピッチに立ち、ゴールネットを揺らした。80分に、上里一将からのスルーパスに抜け出すと、左足を振り抜いて8試合ぶりの出場でゴールを決めた。鈴木は「1年間積み重ねてきたことがようやく出せたよ」と胸を張った。

「俺、今年は点にこだわるから」。その宣誓を1年守り通した。ベンチ入りメンバーを外れ、居残り練習ではコーチとパスの受け方からフィニッシュまでこだわって練習した。「シュートは、本当に超打ち込んできたから」。練習場では裏への飛び出しや、DFの視野から外れる動きを研究し、実践してきた。決まって自分に言い聞かせるように「見ててよ、俺、絶対やるから」と言い続けた。

元々、大学を卒業して２、３年でプロサッカー選手を引退するつもりだった。それなのに、彼は今年で30歳を迎える。その話に、「確かに」と苦笑いするが、この人生も悪くなかったと思っているはずだ。報われることなんて少ない世界だけど、何かに向かうことができない選手は進む先すら見失ってしまう。達也にはずっとそれがあった。急勾配の坂が待っているのも常だけど、気になって周りを盗み見ることもなく、気持ちが動いた先に足を進めた。それは、きっと幸せなことだ。

新しく着た、10番のユニフォームは似合って見える。頑な男は、エネルギーを吐き出す場所に徳島を選択した。舌打ちしたくなるような悔しさも溜め込んでいるに違いない。全然、格好いいものじゃなくても「まだやり残したことがある」なら貫き通す。変わらないから変われる。達也には、まだまだ続きがあるはずだ。

以上

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2012シーズンキックオフ！
FUJI XEROX SUPER CUP 2012
3月3日（土）13：35キックオフ／国立
柏レイソル vs ＦＣ東京

※同日開催　NEXT GENERATION MATCH
10：40キックオフ
U−18Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜
※チケット好評発売中詳細は【こちら】


2012.02.14 Reported by 馬場康平