今季ここまで（30節終了時点）徳島のホームスタジアム来場者数は７０，８８０人。開催されたホームゲームが15戦だから１試合平均としては４，７２５人になり、その数字は決して少なくないと言えるだろう。さらにそれが昨季平均と比較し約７００人増であることも踏まえると、Ｊ参戦６年目のクラブは一歩一歩着実に阿波の地で根を広げていると言っていいのではないか。

ただ、だからと言って現状に満足し前向きな姿勢を無くしてしまえば成長は止まるし、これまでに張り広げたせっかくの根も痩せ細ってしまう。さらなる前進を求めて常に新しいもの、変化のあるもの、より良いものに目を向け、それらへのチャレンジを続けていかなくては─。

そこで徳島はその志のもと、『徳島ヴォルティス最終戦プロディース会議』を発足。今季最後のホームゲーム（11月28日　vs富山＠鳴門大塚）に大きな盛り上げを起こすべく特別チームを立ち上げたのだが、それはＪリーグにおいて過去例を見ないフレッシュな試みとなっている。なんと座長が現役女子高校生なのだ！

座長・西野亜貴さん（小松島西高校2年生）は「TOKUSHIMA雪花菜（おから）工房 http://www.geocities.jp/okarakobo/index.html 」の一員として、これまでに何度もホームゲーム会場でアイスクリームやクッキーなどを販売。そのため以前よりクラブとの深い交流があり、また自らのその販売体験を通して「もっと多くの方にスタジアムへ来てほしい」というクラブと同じベクトルの想いを抱いていた。そしてその想いが今回のチーム誕生のキッカケとなって、座長就任にも至ったのだが、それだけにプロジェクトと向き合う気持ちも相当真剣。「最終戦が今年一番の盛り上がりになるように、できる限りの準備をしたい」と話す表情からは並々ならぬ意欲がうかがえた。
さらに、「盛り上げるのは僕たちだ！　というキーワードのもと、関わる全員で元気あふれるものにしたいです」と若い学生さんらしさも期待させる。当日のスタジアムではきっと大人たちの想像を超えた自由な発想のおもしろさを随所に味わえるのではないだろうか。

また、このプロジェクトは『地元プロスポーツの振興』をはじめ『徳島県教育委員会オンリーワンハイスクールの一環』という目的も持つ、言わばホームタウンと非常に深く連係したもの。だからこそこのＪリーグ初の試みにはＪリーグ側もサポートの準備をしており、その注目度は大変高いものとなっている。
しかし西野さんをはじめ関わる学生メンバーの皆さんには、選手たちがゲームでサッカーを楽しむのと同様、そうしたプレッシャーに負けずノビノビとこの機会をエンジョイしてもらいたいと思う。実行する側の明るさこそが目標（１万人集客）達成にも繋がるはずなのだから。

高校生プロデュースのホームゲーム開催まであと１か月ちょっと。その日を楽しみに待ちたいと心から思うし、ぜひ当日は多くの方にスタジアムへ来場いただきこのプロジェクトを楽しんでもらいたいと思う。

以上

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2010.10.22 Reported by 松下英樹