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昨年の加入時には「高さと強さが武器」と話していた彼。京都・加藤久監督も力強いヘディングシュートについて「形に入った時には（相手は）分かっていてもやられてしまう」と、絶賛。ツボに入った時のパワーには凄まじいものがあります。ですが、チームになかなかフィットできず出場回数を伸ばすことができませんでした。

観ていて感じたのは、京都が、彼がそれまで在籍していた山形のようなシステマチックなサイドから崩してクロスを入れるという戦術を取らなかったことがあるように思えました。ディエゴを中心とした「即興的」な攻撃が主体で、そこに合わせるためにはゴール前で待つ、というプレーではなかなかボールが入りません。

豊田らしくゴール前で高さ、強さを発揮できない中で彼は変化を見せ始めます。積極的にサイドに流れボールを呼び込む様になると、前を向いてドリブルを仕掛ける回数を増やします。18節の名古屋戦では左サイドでボールをもらうとドリブルで仕掛けてフィニッシュまで持ち込みます。サイドに流れてボールをもらいドリブルで仕掛けるプレースタイルを随所に見せ始めました。

そして天皇杯3回戦甲府戦で、柳沢敦が落としてディエゴ、その瞬間に豊田が走り出し裏へ。ディエゴからダイレクトでパスが出ると、エリア内やや左に流れたボールを持ち直し、冷静にGKの股間を流し込みゴール。見事「即興性」のある攻撃でゴールを決めたのです。高さと強さだけでなく、テクニック、スピードも出せるFWへの成長過程、豊田陽平はまさにこれからどう変化していくか楽しみな選手です。

以上

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2010.02.04 Reported by 武田賢宗