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【J2日記】甲府:お礼参り(09.12.17)

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(C)松尾 潤

武田神社の参道から甲府市内を望む

(C)松尾 潤

全選手フィギュアを並べて武田神社の本殿にお礼参り

(C)松尾 潤

左が安間貴義監督のフィギュア。チームを去る選手が多いことは残念だが、彼らにいいチャンスが訪れることを願いたい

布啓一郎氏(現・U-18日本代表監督)が市立船橋高校の監督時代に「お礼参り」の話をしてくれたことがあった。布監督がまだ若く、全国のタイトルを取る前の頃の話だった。フェスティバルなどがあれば夜は各高校の監督・コーチが集まって懇親会(飲み会)を行うことが多いが、若い布監督はベテラン監督からミソとなる話を聞き出そうとしていたそうだ。
「早い時間はいい話をなかなかしてくれない。夜12時をまわってから『ぽろっ』と出てきたりする。だからこっちも早く酔わせようと思って一生懸命お酌するんだよね(笑)」

あるとき、布監督は高校サッカー界の名将・国見高校の小嶺忠敏監督(選手権優勝6回。現・Vファーレン長崎社長)からこんな趣旨の話を聞いた。

「選手権の前に神社やお寺に『勝たせてください』ってお願いに行くよな。でも、終わったら行くか?行かないよな。俺は行くんだよ。勝ったらお礼に行くし、勝てなくても『こんなに頑張ったのに神様は何で俺を勝たせてくれなかったのか』ってな」

これはどういう意味か。「出来ることはなんでもやる」という高校サッカーの名監督の執着心の凄さだと布監督は理解して、話してくれたんだと思う。システムや練習メニュー云々という話が先にあるのではなく、その指導者の生き様がサッカーに出てくる。そして、勝てる監督が生まれるんだと思う。

甲府がJ1昇格を逃し、暫くしてこの話を思い出した。だから、甲府の安間貴義前監督と全選手のフィギュアを持って(途中加入の選手のフィギュアはない)武田神社にお礼参りに行くことを思いついた。武田信玄・勝頼が住み暮らした館(躑躅ヶ崎館)の主郭跡に建てられた武田神社。クラブは甲府市御岳町の金桜神社で必勝祈願を行っているが、僕はシーズン前にたまたま武田神社に行ったのでお礼参りも武田神社にした。完全に自己満足の行動だが、夢が叶わなくても何かに感謝する気持ちを持てた方がいいような気はする。初詣に向けて徐々に準備が進んでいる雰囲気の武田神社だったが、参拝者の視線に照れながらも選手フィギュアを並べて写真を撮った。

甲府の監督が安間監督から内田一夫新監督に変わることが発表された。来年の陣容が固まっていない段階ではどうなるのか予想できないが、武田神社に行って気持ちの区切りはついたような気がする。来年は『内田一家』で頑張ろうと思えるようになった。

以上

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2009.12.17 Reported by 松尾潤
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