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【J1:第14節 清水 vs 山形】プレビュー:どちらにとっても本当に大事なリスタートの一戦。互いに手の内がわかっている中で、どちらが勝負所をものにできるか(09.06.19)

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6月20日(土)J1 第14節 清水 vs 山形(15:00KICK OFF/アウスタ
スカパー!生中継 Ch182 14:50〜(解説:澤登正朗、実況:桑原学、リポーター:真鍋摩緒)
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 開幕当初はなかなか攻撃の調子が上がらず、2ケタ順位を行き来するという期待外れの状況にあった清水。しかし、5月中旬あたりからようやく少しずつチームのリズムが良くなり、攻撃陣も結果を出せるようになって、リーグ戦の中断前に2連勝。その後のヤマザキナビスコカップ予選でも3連勝と、結果も伴ってきた。まだ「絶好調」と言える状態ではないが、流れは確実に上向いている。
 そう考えると、今回のリーグ戦再開では、絶対に良い形でリスタートを切りたいところ。7月中旬にはG大阪(第17節)、浦和(ヤマザキナビスコカップ準々決勝)、鹿島(第18節)と8日間で強豪3チームと戦う正念場が控えていることもあり、それまでに勢いを本物にしていかなければならない。
 したがって、再開初戦の山形戦は、何が何でも勝たなければいけないゲームとなる。しかも、1カ月前のヤマザキナビスコカップ予選第3節で初対戦し、ホームで昨年7月以来の黒星を喫した相手。そのリベンジもきっちり果たさなければならないし、ホームで同じ相手に2回続けて敗れるわけにはいかない。

 というわけで、清水にとっては勝点3が絶対条件のゲームとなるが、それをプレッシャーと感じて硬くなってしまうのか、好調さを維持しながら自信を持って試合に臨めるかは、選手たち次第。ここは、彼らの力を信じるしかない。
 もちろん戦力という面では、前回の対戦時(5月20日)と比べて充実していることは間違いない。とくに、2トップを組むことが予想されるフローデ・ヨンセンと原一樹の調子が上がってきたことは心強い。前回は、山形に先制された後、がっちりと守りを固められ、そこを攻め崩すだけの迫力や個の力を発揮することができなかった。だが、その試合に出場しなかったヨンセンの高さは、山形守備陣にとって大きな負担になるだろうし、原のドリブル突破も切れ味を増している。
 山形の手堅い守備組織を崩すには、やはりどこかで1対1(場合によっては1対2)の勝負に勝たなくてはならないので、彼らには大いに期待したいところだ。オーストラリア(日本代表)から帰ったばかりの岡崎慎司は、「本人のコンディション次第」(長谷川健太監督)でどう使われるかわからない。だが、彼が短時間でも代表で得た良い感触と自信を発揮することができれば、大きな一仕事をしてくれるかもしれない。
 またチームとしても「狙いを持って良い攻撃ができている」(兵働昭弘)という手応えがあり、連携や流動的な攻撃という面でも着実に向上している。それによって個の力をよりうまく生かし、何としても先制点を奪いたいゲームだ。

 清水の守備に関しては、青山直晃と高木純平が出場停止で、レギュラー2人を欠く状況。だが、高木の位置(右SB)には市川大祐、青山が抜けたセンターバックには左SBの児玉新が入り、左SBには太田宏介を起用するという形は実績も十分にあり、とくに不安はない。試合の主導権を握っているかぎりは、むしろサイド攻撃の迫力が増す可能性も秘めた布陣だ。
 ただ、山形のほうはケガ人の多くが復帰する可能性があり、そうなるとセットプレーも含めてワンチャンスを生かす力は、前回よりも確実に高くなる。したがって、セットプレーでの守備や、攻めているときのリスクマネージメント、また危険な位置でのミスを減らすことなど、相手にスキを与えないということが、守備面では重要になってくるだろう。

 対する山形は、公式戦の直近10試合のうち勝ったのは前回の清水戦だけ。リーグ戦では5試合勝利がなく(2分3敗)、開幕直後の勢いを失っている。ただ、勝てなくなった原因としてはケガ人の増加が大きかったが、ここに来てその多くが練習に復帰しており、ベストメンバーに近い布陣でリーグ戦再開に臨める見込みが出てきた。そこで良い結果を出せば、自信も回復し、良い流れを取り戻せる可能性は十分にある。したがって、山形にとっても非常に大事なリスタートのゲームとなる。
 ただし、アウトソーシングスタジアム日本平で清水と戦うとなると、やはり先に失点しないことがもっとも重要になる。山形が守りきれるか、清水が攻めきれるかという部分が、まずは最大の焦点となるだろう。もちろん山形としては、ボール支配率で無理に上回る必要はない。その中でいかに限られたチャンスを生かし、先制点を取るか。当然、得意のセットプレーも大きなカギを握ることになる。

 以上のように考えると、試合の焦点が比較的はっきりしたゲームとなることが予想できる。お互いに相手の狙いが十分にわかっている中で、いかに勝負所をものにできるかどうか。それが勝敗を分けることになるだろう。
 両チームとも、今後の戦いの中ではシビアな勝負が続いていくだろう。その中で勝ち抜いていくためにも、勝負所で結果を出す力が発揮できるかどうかは、本当に重要な意味を持つはずだ。

以上

2009.06.19 Reported by 前島芳雄
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