FC BAYERN MUNCHEN JAPAN TOUR 2005(19:34/味スタ/23,618人)
F東京 0-4 FCバイエルンミュンヘン(ドイツ)
得点者:19'ロイ・マカーイ(FCバイエルンミュンヘン)、29'ルシオ(FCバイエルンミュンヘン)、73'ホセパオロ・ゲレロ(FCバイエルンミュンヘン)、74'ハサン・サリハミジッチ(FCバイエルンミュンヘン)
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「0−4の完敗」これが結果だった。
F東京はホーム味の素スタジアムに、前夜来日したばかりのFCバイエルンミュンヘンを迎えた。「昨日の夜に日本に着いて疲れてるはずなのに、あんなに出来るなんて思わなかった」という試合後の馬場選手の言葉通り、どれだけ疲れているとはいえバイエルンミュンヘンは強かった。
F東京は、土肥、茂庭、加地、今野の4人が代表メンバー選出されたことと、けが人が続出したことで、リーグを戦ってきたレギュラーメンバーが大幅に抜けた状態。スターティングメンバーは、GK遠藤大志、DF右から藤田、藤山、増嶋、尾亦、MF浅利と宮沢、右に石川、左に鈴木規郎、トップ下の馬場に、ササの1トップという布陣。原監督は「フレッシュな選手でフレッシュに戦ってほしい」という思いで送り出した。ササ サルセード選手のお披露目となったこの試合、試合前から「ササー」という歓迎のコールが聞こえてくる。そしてもう一人、大きなサポーターの「大志!大志!」というコールでピッチに迎えられたのは、今年で8年目、J1に昇格してから初のトップチームの試合、そして初のスタメン出場を果たしたGKの遠藤選手だ。
一方、前夜に来日したばかりのバイエルンミュンヘンは22人の来日メンバーのうち18人がベンチ入り。GKのカーンが腰痛のため、注目の集まったシュバインシュタイガーも右アキレス腱を痛めたためメンバー登録はされなかった。スターティングメンバーはGKミヒャエル・レンシング、DF右からウィリー・サニョル、ルシオ、バレリアン・イスマエル、オーウェン・ハーグリーブス、MFマルティン・デミチェリス、イエンス・イエレミース、右にセバスチャン・ダイスラー、左にアリ・カリミ、FWミヒャエル・バラックとロイ・マカーイが顔をそろえた。来日を待ちわびたバイエルンのファンもレプリカユニフォームを着てゴール裏に集まった。
試合開始早々から、F東京は石川選手の積極的なタテへの突破、浅利選手の思い切りのいいシュート、そしてブラジル代表ルシオの放ったシュートを正面で遠藤選手がしっかり止めて見せるなど勢いをみせた。しかし、相手はブンデスリーガ王者、ミスを見逃してくれるわけがなった。前半19分、藤山選手のパスがイラン代表のカリミ選手にカットされ、そのままドリブルで持ち込まれると少し戻った位置にいたマカーイ選手にパスが渡りボールはそのままゴールへ突き刺さった。
早い時間で追いつきたいF東京だが、逆に29分、CKからルシオ選手のヘディングで追加点をあげられてしまった。2−0。ガクッと顔を下に向けた様子の選手たちにサポーターからは「シュート打て!」のコールが飛ぶ。しかし、前半はそのまま2−0で終了。ハーフタイムのロッカールームでは、選手同士の言い合いのようなものも起こった。
後半、巻き返しをはかりたい気持ちでいっぱいの選手たち。原監督は、スタートから梶山選手を投入した。「少しずつ前につなぐことが出来始め(馬場選手)」反撃をしかけるF東京。一方のバイエルンミュンヘン、マガト監督は一度に4人を交代、クラウディオ・ピサロとホセパオロ・ゲレロの2トップに、バラックを少し下がり目に配置するなどし、さらに多彩な攻撃を見せ付ける。後半も28分と29分に立て続けに得点を決め、圧倒的な強さを印象付けたバイエルンミュンヘン。F東京サポーターからは再び「シュート打て」のコール。そして終了間際に近づいた40分過ぎには「意地見せろ!」のコールまでがとんだが、結局0−4のまま試合は終了。
疲れているはずのバイエルンミュンヘンの選手たちだが、見た目にもわかるほど、時間が経つにつれ調子を戻し、そのフィジカルの強さ、技術の高さ…圧倒的な強さと、力の差を見せつけ始めた。試合後には、バイエルンゴール裏に挨拶に行った後、F東京ゴール裏にも挨拶。親善試合ならではの光景だった。試合後の会見では、「全力で戦ったが、勉強になることばかりだった。若い選手が多いので、実際にプレーして学んだことをこれからの励みにしてもらいたい」と話したF東京・原監督。F東京の選手たちにとって、「出来た部分」「差のあった部分」「もっとこうすれば良かった」「こんなこともあるのか!」など、世界を代表する選手たちが勢ぞろいするチームとの戦いで体感して得たものは今後のリーグに向けてのそれぞれの糧となることだろう。
この試合に続き30日にはジュビロとのプレシーズンマッチ(19:00キックオフ/国立)を控えるバイエルンミュンヘン。今シーズンも圧倒的な強さを、間もなく始まるブンデスリーガでも見せつけることになるのか。世界レベルの熾烈なポジション争いにも注目したい。
以上
2005.07.29 Reported by 日々野真理
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